ロードデンドロン

ロードデンドロンは、アイルランドで生まれたサラブレッドの競走馬です。その馬名は「ツツジ」を意味しており、華麗な競走生活に相応しい名前と言えるでしょう。2016年のデビューから2018年の引退まで、数々の輝かしい成績を残しました。

競走馬としてのキャリアは、2016年6月のデビュー戦から始まります。初戦こそ2着という結果に終わりましたが、続くレースで初勝利を手にしました。その後、重賞競走であるデビュータントステークスを制覇し、才能の高さを証明しました。そして、フィリーズマイルではライバルであるハイドレンジアを破り、G1競走初制覇という快挙を成し遂げました。

2017年には、英1000ギニーで2着、英オークスでも2着と惜しい結果に終わりましたが、フランス遠征のディアヌ賞では、レース中に鼻出血を発症し競走中止というアクシデントに見舞われました。しかし、ロードデンドロンは驚異的な回復力を示し、3ヶ月の休養期間を経てレースに復帰しました。復帰戦こそ7着と振るわなかったものの、次戦のオペラ賞では見事勝利を収め、2度目のG1タイトルを獲得しました。その後、ブリーダーズカップ・フィリー&メアターフでは2着と健闘し、3歳シーズンを終えました。

2018年シーズンは、牡馬相手のガネー賞から始まりました。このレースでは4着という結果に終わりましたが、続くロッキンジステークスでは2着馬との激しい競り合いを制し、3度目のG1勝利を挙げました。これはロードデンドロンにとって混合戦での初のG1制覇であり、その強さを改めて印象付けました。しかし、その後は精彩を欠くレースが続き、英チャンピオンステークス5着を最後に現役を引退することとなりました。

ロードデンドロンの母であるハーフウェイトゥヘヴンは、2008年の愛1000ギニー、ナッソーステークス、サンチャリオットステークスを制した名牝です。さらに、ロードデンドロンの全妹であるマジカルも、数々のG1競走を制覇した活躍馬として知られています。こうした血統背景からも、ロードデンドロンの卓越した能力は予想されたと言えるでしょう。

引退後は繁殖牝馬となり、日本のノーザンファームでディープインパクトとの交配が行われました。2020年には、父ディープインパクトの牡馬であるオーギュストロダンが誕生しました。オーギュストロダンは2022年にデビューし、デビュー戦で2着、2戦目で初勝利を挙げると、その後チャンピオンズジュベナイルステークスとフューチュリティトロフィーを制覇し、G1競走初制覇を果たしました。これはロードデンドロンにとっても、繁殖牝馬としての成功を証明する大きな成果と言えるでしょう。

ロードデンドロンの血統には、5ハロンの重賞を3勝したCassandra Goや、メルボルンカップを制したCross Counterといった名馬が含まれています。また、日本の優駿牝馬を制したヌーヴォレコルトやJBCクラシックを制したミューチャリーとも近親関係にあります。これらの名馬たちの血を受け継いだロードデンドロンは、その競走成績と仔馬の活躍を通して、その血統の素晴らしさを証明しています。

ロードデンドロンの競走生活は、華麗な勝利と惜しい敗北、そしてアクシデントと回復劇を織り交ぜたドラマチックなものでした。G1競走3勝という輝かしい実績は、その類まれな能力と強靱な精神力を物語っています。引退後も、繁殖牝馬としてその血を受け継ぐ新たな才能を生み出し続けており、ロードデンドロンの物語はこれからも続いていくでしょう。今後の活躍にも注目が集まります。

もう一度検索