ローマの雨

ローマの雨

「ローマの雨」は、1966年に日本の女性デュオ、ザ・ピーナッツによって発表された楽曲です。哀愁を帯びたメロディーと叙情的な歌詞が特徴で、彼女たちのレパートリーの中でも特に知られた一曲として挙げられます。

楽曲の背景と制作

本楽曲は、フジテレビの元社員であり、ザ・ピーナッツがレギュラー出演していた人気音楽番組『ザ・ヒットパレード』の発案者としても知られるすぎやまこういちが作曲を手がけました。すぎやま氏がザ・ピーナッツのために書き下ろした楽曲としては、これが初めての本格的な作品となったとされています。作詞は橋本淳、編曲は服部克久が担当しており、当時の日本の歌謡界を代表するクリエイターたちが集結して生まれたナンバーと言えるでしょう。

楽曲の展開とバージョン

「ローマの雨」には、発表当時のオリジナル録音に加え、後年改めて録音されたバージョンも存在します。これら二つのバージョンの主な違いは、オリジナル版に含まれるザ・ピーナッツによる間奏部分のハミングの有無や、全体的な曲調のニュアンスに認められます。いずれのバージョンも、楽曲の持つ美しい旋律とザ・ピーナッツの澄んだハーモニーの魅力が際立っています。

オーケストラ編曲版と海外でのカバー

この楽曲は、ポピュラー音楽の枠を超え、オーケストラ用に編曲もされています。作曲者であるすぎやまこういち氏自身が指揮を務めるコンサートにおいて、このオーケストラ版がしばしば演奏されるレパートリーとなっており、その演奏は録音されて、『君だけに愛を 東京都交響楽団×すぎやまこういちヒット曲集』と題されたCDアルバムにも収められています。また、「アイ・ウィル・フォロー・ヒム」の世界的なヒットで知られるアメリカの歌手、ペギー・マーチによってもカバーされており、そのバージョンでは歌詞の一部がイタリア語に置き換えられるなど、国際的な広がりも見せています。

メディアでの取り扱い

「ローマの雨」は、発表された1966年の大晦日に放送された『第17回NHK紅白歌合戦』の舞台で披露されました。当時の貴重な歌唱映像は現在もNHKに保管されており、番組のアーカイブとしても価値を持っています。ザ・ピーナッツの代表曲の一つとして、現在も彼女たちの数多くのベスト盤や企画CDに収録される機会が多く、世代を超えてファンに親しまれ続けています。

シングル情報

本楽曲は、1966年にキングレコードよりシングル盤（品番：BS-515）としてリリースされました。シングルのB面には、塚田茂作詞、宮川泰作曲・編曲による「銀色の道」が収められています。演奏は両面ともにレオン・サンフォニエットが担当しました。なお、このシングル盤には、同一番号でありながらジャケットデザインが異なる二つのバージョンが存在することが知られています。

その他

ザ・ピーナッツの楽曲の中には「ローマの恋」という、本作と類似したタイトルを持つ別の楽曲が存在しますが、「ローマの雨」とは直接的な関連はありません。

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