ローランド・アローホ

ルイス・ローランド・アローホ・アビラ：キューバの英雄から亡命、そしてMLBへ

ルイス・ローランド・アローホ・アビラ（Luis Rolando Arrojo Avila , 1968年7月18日 - ）は、キューバ共和国ビジャ・クララ州出身の元プロ野球選手。右投右打の投手として活躍しました。

キューバ時代の輝かしい実績

アローホは、1983-1984シーズンにキューバ国内リーグであるセリエ・ナシオナル・デ・ベイスボルでデビュー。その年に新人王を獲得し、早くからその才能を発揮しました。ナランハス・デ・ビジャ・クララのエースとして、1992-1993シーズンからのリーグ3連覇に大きく貢献。1994-1995シーズンには、86回を投げて無敗の11勝、防御率1.88という驚異的な成績で最優秀防御率のタイトルも手にしました。

国際舞台でも、1992年のバルセロナオリンピックで金メダルを獲得。1994年のワールドカップでも好投するなど、キューバ代表として数々の輝かしい実績を残しました。

亡命という決断

しかし、1996年7月9日、アトランタオリンピックのキューバ代表としてアメリカ合衆国で調整中、アローホは家族を残して亡命を決意します。この亡命は、当時キューバの国家評議会議長であったフィデル・カストロからも「裏切り者」と非難されるなど、大きな波紋を呼びました。亡命後、アローホの年齢が実際より高く発表されていたという情報操作があったことも明らかになっています。

MLBでの挑戦

コスタリカで居住権を得た後、1997年4月21日にMLBのタンパベイ・デビルレイズと契約。1998年4月1日の対デトロイト・タイガース戦でMLBデビューを果たし、初登板で勝利投手となりました。平均91mph（約146km/h）の速球と切れ味鋭いスライダーを武器に、制球力で打者を打ち取るスタイルで活躍。オールスターゲームにも選出され、チーム最多の14勝、防御率3.56の成績で、新人王の投票では2位に入るなど、MLBでもその実力を証明しました。

その後、コロラド・ロッキーズ、ボストン・レッドソックスと移籍。2001年からは中継ぎ投手として活躍しましたが、2002年に故障に苦しみ、2003年に現役を引退しました。

キューバ球界への貢献

アローホは、キューバリーグで通算154勝98敗、防御率3.50という素晴らしい成績を残しています。与四球率1.96、奪三振率5.05という数字も、彼の制球力と奪三振能力の高さを物語っています。

MLBでの足跡

MLBでは、先発・中継ぎとして活躍。特に1998年の活躍は目覚ましく、オールスター選出、新人王投票2位という結果は、彼のMLBでの存在感を示しています。

ルイス・ローランド・アローホ・アビラは、キューバ野球界の英雄として、そして亡命という決断を経てMLBで活躍した選手として、その名は野球史に刻まれています。

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