ローラ・アシュレイ

ローラ・アシュレイの生涯と業績

ローラ・アシュレイ（Laura Ashley CBE, 1925年9月7日 - 1985年9月17日）は、イギリスのウェールズで生まれた著名なファッションデザイナーです。彼女は自身のデザインによる美しい布地を用いて、衣料品や家庭用品のブランドを築き上げ、世界中でその名を知られるようになりました。この文章では、ローラ・アシュレイの歩みと彼女が設立したブランド、ローラ アシュレイ ホールディングスについて詳細にご紹介します。

初期の人生と経歴

ローラ・アシュレイは、ウェールズ南部のマーサー・ティドビルに生まれました。厳格なバプテスト家庭に育ち、幼少期から多くの影響を受けました。彼女は地元の学校に通い、その後はロンドンに移り、秘書としてのキャリアをスタートさせました。第二次世界大戦中はイギリス海軍の女性部隊に加わり、戦後はロンドンの婦人会で秘書として働きました。この頃、将来の夫であるバーナード・アシュレイと出会い、1949年に結婚します。

創業の始まり

ローラは秘書の仕事を続けながら、家庭の合間を縫ってナプキンやテーブルマットのデザインを手掛けていました。彼女のデザインはバーナードの手によってロンドンのアパートの屋根裏でプリントされ、間もなくして需要が高まりました。1953年、ヴィクトリア朝スタイルのデザインを取り入れたスカーフの生産が始まり、これが大ヒットとなります。特に女優オードリー・ヘプバーンが映画『ローマの休日』で同様のスタイルを披露したことで、アシュレイ夫妻のスカーフは爆発的な人気を誇りました。

企業の成長と拡大

1955年に会社はケントに移転し、成長を続けます。しかし、1958年には自然災害に見舞われ、一時的な打撃を受けました。それでも、夫婦は1961年にウェールズに家を移し、会社の拡大を図ります。この時期、バーナードの新しいプリント技術により生産量は大きく向上し、ローラのデザインによるドレスが人気を博しました。1960年代には、ファッションがミニスカートからロングスカートへの移行期であったことも、彼女のスタイルが受け入れられる要因となりました。1968年には初の店舗がロンドンにオープンし、以降、全英に店舗数を増やしていきます。

変遷と挑戦

1977年には大英帝国勲章が授与されるも、流行に敏感なファッション業界において、その後は徐々に時代に合わなくなっていきました。1980年代後半には経営体制の変化や競争の激化から厳しい状況に直面します。1990年代に入ると、CEOが代わり、経営改革が進められましたが、1997年には深刻な財政難に陥ります。

MUI Asiaによる再建とその後

1998年にマレーシアのMUIアジアが新たな株主となり、会社は再建の道を歩みます。特に家庭用品に重点をおいた業務展開が功を奏し、徐々に回復傾向となりました。しかし、様々なトラブルが続き、2018年には日本法人が事業を終了。さらに2020年3月にはコロナウイルスの影響を受けて、経営破綻を余儀なくされました。以後、アメリカの投資会社が新たな買収主となり、ブランドの新たな章が開かれることとなります。

私生活と家族

ローラはバーナードと共に4人の子供を育て、家族と共に活動することを重視していました。夫婦ともに事業の発展に貢献し、1970年代にはフランスに家を購入し、新たなインスピレーションを得ました。バーナードは2009年に亡くなりますが、家族はその後もアシュレイブランドの発展に寄与しています。

ローラ・アシュレイ基金

1987年、ローラを偲ぶ基金が設立され、個人の才能を引き出すサポートを行っています。これにより、彼女の遺志は今もなお生き続けています。

日本における展開

日本市場において、1985年に東京・銀座に初の店舗がオープン。その後も順調に展開し、約140店舗まで成長を遂げましたが、最終的に事業は終了に至りました。新たな経営体制が整う中で、残されたブランドの価値がどのように発展していくのか注目されます。

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