ローラ・プルサック

ローラ・プルサック

概要

ローラ・プルサック（Lola Prusac）は、1895年に生まれ、1985年まで活動したフランスのモード・デザイナーです。彼女は1926年から1935年までエルメスに勤務した後、独立して自身の名を冠したブティックをパリで設立し、1980年までその経営に携わりました。

生い立ち

ローラはロシア統治下のポーランド、ウッチで生まれました。父親は産業資本家であり、ウッチは「中欧のマンチェスター」と称される重要な繊維産業地帯でした。彼女は1895年にレオンティナ・プルサックという本名で産まれ、3姉妹の末っ子として育ちました。姉たちがパリに引っ越したこともあり、彼女も後にパリに移り住むことになりました。ローラはソルボンヌやルーブル美術館大学で学び、1921年に生物学者と結婚しました。

エルメスでのデビュー

プルサックはエルメスに入社し、最初はデザイナーとして活躍しました。彼女が最初に手がけたプルオーバーは高い評価を受け、ポーランドの民芸の影響を強く受けていたとされています。その後、水着やスポーツウェア、田舎風のファッションも手がけ、特にエレガントなスポーツウェアを提案した初期のデザイナーの一人と見なされました。

エミール・エルメスの支持を受け、プルサックはモンドリアンからインスピレーションを受けたバッグのデザインを実現しました。彼女の斬新なアイデアはエルメスのコレクションに新たな風を吹き込みました。

芸術家たちとの交友

モンパルナスの芸術家たちとの交友関係も彼女の人生に大きな影響を与えました。ローラはロベール・ドローネーやモディリアーニ、作家コレットといった当時の重要な芸術家たちと交流を持ち、彼らとの関係がデザインにも反映されていました。エルメスのデザインには、そうした交友の影響からくる独創性が多く見られたと言います。

フォーブル・サントノーレ通り93番地の開店

1935年にエルメスを退社した後、フォーブル・サントノーレ通りに自身のブティックを開店しました。彼女の最初のコレクションには、編み物や刺繍が多く用いられ、旅行用の服スタイルが注目されました。これにより、彼女は多くの女性顧客を得ることとなりました。

戦後の評価

1948年以降、プルサックは年に2回のコレクション発表を行うようになり、「sport-tricot」と称される運動着用のメリヤス生地を中心に展開しました。しかし、オートクチュール組合から資格を剥奪される事もありました。

フォーブル・サントノーレ通り93番地の顧客

プルサックの顧客には、映画女優のイングリッド・バーグマンやローレン・バコール、さらにはウィンザー公爵夫人やブリジット・バルドー、カトリーヌ・ドヌーヴなど、著名なセレブが名を連ねました。

香水

最初の香水「セガ」は1958年に登場し、聖書の人物の名に由来するものでした。続いて1967年には、風呂用のグローブを指す「ガン・ド・クラン」が発売され、新鮮な水として宣伝されました。

結論

ローラ・プルサックは、モード界での独自の地位を築いたデザイナーであり、その革新的なデザインと思考は後の世代に大きな影響を与えました。彼女の名は現在もファッション史に名を刻んでいます。

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