ローラ・B99/50

ローラ・B99/50/51：国際レースシーンを彩った名車

ローラ・B99/50は、イギリスのレーシングカーコンストラクターであるローラ・カーズが1999年に製造したフォーミュラカーです。その姉妹車であるローラ・B99/51と共に、国際F3000選手権やフォーミュラ・ニッポン、ユーロ3000選手権といった世界の主要なフォーミュラレースで活躍しました。

国際F3000選手権での活躍

1999年から2001年にかけて、国際F3000選手権のワンメイクマシンとして採用されました。この選手権では、多くのドライバーたちがローラ・B99/50を駆り、激しい戦いを繰り広げました。3シーズンにわたる活躍の後、後継モデルであるローラ・B02/50|ローラ・B02_50にその座を譲りました。

フォーミュラ・ニッポンでの挑戦

B99/50とほぼ同一の設計を持つB99/51は、1999年にフォーミュラ・ニッポンにも導入されました。無限製のMF308エンジンを搭載したものの、ライバル車であるレイナードには戦闘力で劣り、残念ながら同年限りで姿を消しました。

ユーロ3000選手権での活躍とその後

その後、ローラ・B99/50は2002年から2004年にかけて、ユーロ3000選手権の車両として独占的に使用されました。この選手権でも、その高い性能を発揮し、多くの勝利に貢献しました。2005年には、ローラ・B02/50|ローラ・B02_50が導入されましたが、古いシャーシを使用する参加者向けにライトクラスが設定されるなど、B99/50は長くその活躍の場を保ちました。さらに、2005年と2006年には、3000Proシリーズでも使用されました。

現在でも、ローラ・B99/50とB02/50は、イタリアやヨーロッパで開催されるヒルクライムスピードレースにおいて現役で活躍しています。オゼッラのFA30などの車両と競い合い、その高い耐久性と性能の高さを証明しています。

ローラ・B99/50の技術仕様

ローラ・B99/50の技術的な側面を詳しく見ていきましょう。

シャーシ

シャーシは、ローラ・カーズによってカーボンファイバーを用いて設計・製造されました。軽量かつ高剛性なシャーシは、高い操縦性と安定性を提供しました。

エンジン

エンジンは、イギリスのエンジンメーカーであるザイテック・エンジニアリングによって製造されたV型8気筒エンジンです。2,997ccの排気量から最大470馬力を発生する高性能エンジンは、レースでの勝利に大きく貢献しました。

構成：90°V8
排気量：2,997 cc
バルブ数：32個
エンジンマネジメント：ザイテック
インジェクション：ザイテック
スパークプラグ：NGK
最大トルク：380 N m @ 6,900 rpm
最大出力：470 bhp

その他

ホイールベース：3,000 mm
幅：フロント 1,476 mm、リア 1,411 mm
* 総重量：575 kg

サスペンション

フロントとリアのサスペンションは、プッシュロッドタイプのダブルウィッシュボーン式で、上下Aアームで構成されています。このサスペンションシステムは、路面状況の変化に柔軟に対応し、高い操縦性を提供しました。

ローラ・B99/50/51は、その高い性能と信頼性から、長年にわたって世界中のレースシーンで活躍しました。現在でもヒルクライムレースで現役で活躍していることから、その高い完成度が証明されています。その歴史と技術的詳細を知ることは、モータースポーツの歴史を知る上で非常に重要な要素となるでしょう。

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