ローラ殺人事件

映画『ローラ殺人事件』解説

『ローラ殺人事件』（Laura）は、1944年に公開されたアメリカのミステリー映画です。監督はオットー・プレミンジャー、主演はジーン・ティアニーとダナ・アンドリュース。ヴェラ・キャスパリーの同名小説を原作としています。

フィルム・ノワール作品として高く評価されており、1999年にはアメリカ国立フィルム登録簿に登録されました。アメリカ映画協会（AFI）のランキングでも、「スリルを感じる映画ベスト100」で73位、「ミステリー映画部門」で4位に選ばれています。

あらすじ

美貌の持ち主である女性コピーライター、ローラ・ハントが自宅で殺害されます。担当刑事のマクファーソンは、ローラに関わりのあった人々から話を聞き、事件の真相を追います。捜査を進めるうちに、マクファーソンはローラという女性に惹かれていきます。

キャスト

ローラ・ハント：ジーン・ティアニー
マーク・マクファーソン：ダナ・アンドリュース
ウォルド・ライデッカー：クリフトン・ウェッブ
シェルビー・カーペンター：ヴィンセント・プライス

製作の背景

当初、ルーベン・マムーリアンが監督を務める予定でしたが、オットー・プレミンジャーが監督に交代しました。プレミンジャーは、B級メロドラマ的な設定を、映像美と巧みなシナリオでフィルム・ノワールとして完成させました。

撮影を担当したジョゼフ・ラシェルは、本作でアカデミー撮影賞を受賞しています。また、デイヴィッド・ラクシンが作曲したテーマ曲『ローラ』も大ヒットしました。

ライデッカー役のクリフトン・ウェッブ

クリフトン・ウェッブは、尊大な初老紳士ライデッカーを見事に演じました。プレミンジャーはウェッブの起用を強く希望し、ウェッブにとって10年以上のブランクを経ての映画出演となりました。当時ブロードウェイの舞台俳優として有名だったウェッブは、映画界に興味がなく、プロデューサーのダリル・ザナックを知らなかったというエピソードが残っています。

受賞とノミネーション

第17回アカデミー賞で、撮影賞（白黒）を受賞しました。その他、監督賞を含む5部門にノミネートされています。

その後

1968年には、トルーマン・カポーティ脚本でテレビドラマ化もされました。

映画『ローラ殺人事件』は、フィルム・ノワールの傑作として、今もなお多くの人々を魅了し続けています。

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