ローリー・キャロル

ローリー・キャロル（Rory Carroll）は、1972年生まれのイギリス人ジャーナリストです。アイルランドのダブリン出身で、そのキャリアは国際的な舞台で展開しています。彼は、イギリスの主要日刊紙である『ガーディアン』に所属し、世界各地の支局で特派員として活躍してきました。

キャロルは、ダブリンの名門校であるブラックロック・カレッジを卒業後、ダブリン大学トリニティ・カレッジとダブリンシティ大学で高等教育を受けました。彼のジャーナリストとしてのキャリアは、『ガーディアン』のローマ支局から始まり、1992年から2002年までの10年間、イタリアを拠点に活動しました。その後、2002年から2005年までは南アフリカのヨハネスブルグ支局に異動し、アフリカ大陸の出来事を報道しました。

2005年1月、キャロルはイラクのバグダード支局に赴任しました。この地での彼の活動は、危険と隣り合わせのものでした。同年10月19日、サダム・フセイン政権の犠牲者へのインタビューを終えた直後、バグダードで拉致されるという事件に遭遇しました。このインタビューは、ムクタダー・アッ＝サドルの事務所の協力を得て実現したものでした。幸いにも、拉致された翌日には解放されましたが、この事件は彼のジャーナリスト人生において大きな出来事となりました。

2006年4月、キャロルはラテンアメリカ特派員としてベネズエラのカラカス支局に配属されました。南米での活動を通して、彼はこの地域が抱える政治的、社会的な問題に深く関わることになります。そして、この経験が、後の彼の著作に繋がりました。

2013年、キャロルは『El Comandante, Hugo Chávez's Venezuela』という著書を出版しました。この書籍は、ベネズエラの元大統領ウーゴ・チャベスの政治と社会変革を深く掘り下げたもので、国際的に高い評価を得ました。翌2014年には、伊高浩昭氏による日本語訳『ウーゴ・チャベス―ベネズエラ革命の内幕』が岩波書店から出版され、日本でも広く読まれるようになりました。

現在、キャロルはアメリカ西海岸に拠点を移し、『ガーディアン』のロサンゼルス支局に勤務しています。彼は、アメリカ国内の政治や社会問題を中心に取材活動を続けています。キャロルの報道は、常に国際的な視点を持ちながら、人々の生活や社会構造に深く切り込むものであり、そのジャーナリズムへの真摯な姿勢は多くの読者から支持されています。

ローリー・キャロルの活動は、彼の公式ウェブサイトや『ガーディアン』のウェブサイトで確認することができます。また、ウィキニュースには、彼がイラクで一時的に行方不明になった事件に関する記事が掲載されています。

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