ロールス・ロイス オリンパス

オリンパスターボジェットエンジン

オリンパスは、イギリスで開発された軸流圧縮式のターボジェットエンジンです。このエンジンは、ブリストル航空エンジンの原型を基にしており、名前の由来はギリシャ神話から来ています。エンジンはブリストル・シドレー社によって引き継がれ、最終的にはロールス・ロイスにより生産が続けられました。

起源と歴史

オリンパスの初期モデルは、アブロ バルカン爆撃機向けに開発され、その後のTSR-2計画において超音速能力が追加されました。しかし、TSR-2計画が中止されると、エンジンはさらに用途を広げ、コンコルドなどの超音速航空機にも採用されました。また、アメリカのカーチス・ライト社がJ67という名称でライセンス生産を行い、産業用および艦船用のガスタービンとしても利用されました。

最初のオリンパスエンジンが投入されたのは1950年で、その時の推力は44kNでした。1953年には、イングリッシュ・エレクトリック キャンベラへの搭載が行われ、1955年から本格的な生産が始まりました。1956年には、オリンパス 101がアブロ バルカン B.K.1に搭載され続いて改良が進められました。

パフォーマンスの向上

最初のモデルからの進化の過程で、オリンパスエンジンは多くの改良を施されてきました。オリンパス 201は、推力を76kNから89kNに引き上げるために低圧側の圧縮機とタービンの改良が行われました。その後もオリンパス 301といった新しい型が開発され、これもバルカンに搭載されました。この時期には圧縮段数を増やし、流入する空気の量を増加させるために吸気口の拡大がなされました。

オリンパス593エンジン

オリンパス 593エンジンは、1964年にコンコルド向けに開発がスタートしました。これはTSR-2用のオリンパス320エンジンを基にしており、後にブリストル・シドレーがロールス・ロイスに吸収されました。このエンジンは、アフターバーナーを搭載しており、最大推力は30,610 lbf (136 kN)に達します。可変式排気ノズルを用いることで、飛行速度に合わせた出力調整が可能です。

特にこのエンジンは、超音速飛行時にサージングが発生する可能性があったため、可変式吸気口の設置が不可欠でした。これにより、衝撃波の影響を受けることなく効果的に空気を取り込む構造が実現されました。1966年には、最初の可変排気装置の試験が行われ、その結果、コンコルドの飛行準備が整いました。

諸元と構成

オリンパスエンジンは、以下のような特徴を有しています。

• - 形式: 軸流圧縮式アフターバーナー付きターボジェット
• - 全長: 7112 mm
• - 直径: 1212 mm
• - 重量: 3175 kg
• - 圧縮機: 低圧7段、高圧7段
• - 推力: 最大で169.2 kN
• - 圧縮比: 15.5:1

船舶用としての利用

さらに、オリンパスエンジンは船舶用ガスタービンとしても利用されています。特にイギリス海軍のフリゲート艦や駆逐艦に搭載され、1966年から1968年にかけて換装された艦は、西側の主要な艦船で初めてガスタービンエンジンを使用した例となっています。オリンパスは、さまざまな艦に搭載された経歴を持ち、その信頼性と性能から現在でも多くの機種に使用されています。

オリンパスエンジンは、航空機、艦船を問わず、多くの分野で活躍し続けており、その歴史は今なお進化し続けています。

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