ロ朝戦略的パートナーシップ条約

2024年 6月19日、ロシア連邦と朝鮮民主主義人民共和国（北朝鮮）の間で締結された「ロ朝戦略的パートナーシップ条約」は、両国関係を新たな段階へと進める重要な合意です。ロシア語での正式名称は「Договор о всеобъемлющем стратегическом партнерстве между Корейской Народно-Демократической Республикой и Российской Федерацией」であり、「朝鮮民主主義人民共和国とロシア連邦との包括的戦略的パートナーシップに関する条約」と訳されます。

条約の核心

この条約の最も注目すべき点は、第4条に定められた相互軍事援助条項です。具体的には、「一方が武力侵攻を受け戦争状態に置かれた場合、遅滞なく保有する全ての手段で軍事および他の援助を提供する」と規定されており、事実上の軍事同盟と見なされています。これは、2000年に締結された「ロ朝友好善隣協力条約」には存在しなかった条項であり、1961年の「ソ朝友好協力相互援助条約」に定められていたものが復活した形となります。北朝鮮は同様の相互軍事援助条約を中華人民共和国とも締結しており、今回の条約締結によって、北朝鮮の安全保障体制がより強化されたと言えるでしょう。

条約締結の背景

条約締結の背景には、2022年から始まったロシアのウクライナ侵攻、そして北朝鮮の核問題があります。これらの国際情勢が、両国間の関係をより緊密にする要因となったと考えられます。2024年 6月19日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が北朝鮮を訪問し、朝鮮労働党総書記の金正恩と会談した際に、この条約が署名されました。この出来事は、両国が戦略的なパートナーシップを強化する意思を明確にしたものと解釈できます。

条約の内容と批准

条約は前文と23の条文から構成されており、その期間は無期限とされています。双方が解除について合意しない限り、永続的に効力を有します。正文はロシア語と朝鮮語で作成されています。条約の第4条は、前述の通り、一方への武力攻撃が発生した場合、他方が遅滞なく軍事的支援を行うことを義務付けています。この条項は、両国が相互の安全保障を最優先事項として捉えていることを示唆しています。また、10条の最後の段落にも重要な規定が含まれているとされますが、具体的な内容は不明です。

ロシア側では、2024年10月14日にプーチン大統領が条約批准法案をロシア下院に提出し、同年11月9日に批准法に署名しました。一方、北朝鮮側では11月11日に金正恩国務委員長が国務委員長政令に署名し、批准を完了しました。

条約の発効

2024年12月4日、モスクワで両国の外務次官が批准書を交換し、条約は正式に発効しました。この発効により、「ロ朝友好善隣協力条約」は失効しました。この出来事は、両国間の関係が新たな条約の下で再定義されたことを意味します。条約締結後、北朝鮮は条約の全文を公開しており、その内容は国際社会の注目を集めています。

外部リンク

[条約]]全文（日本語訳） [ジャーナリスト五味洋治による
[ロシア]]語版ウィキソース: [Договор о всеобъемлющем стратегическом партнерстве между Корейской Народно-Демократической Республикой и Российской Федерацией
The Text of the Treaty — [[朝鮮中央テレビ]](URL)
ロシアとイラン首脳が会談、包括的協力協定に近く署名ロイター
* Meeting with President of Iran Masoud Pezeshkian (ロシア連邦大統領の公式ウェブサイト)

(※上記URLは、実際のURLに置き換えてください。)

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