ワイヤレススピーカー

ワイヤレススピーカーとは

ワイヤレススピーカーは、オーディオケーブルの代わりに、高周波（RF）無線通信を用いて音声信号を受信するスピーカーです。主な無線通信規格としては、Wi-Fi（IEEE 802.11）とBluetoothが挙げられます。

構成と仕組み

ワイヤレススピーカーは、主に2つのユニットで構成されています。一つは、スピーカーとRFレシーバーを内蔵したメインスピーカーユニット。もう一つは、トランスミッター（送信機）ユニットです。トランスミッターは、ハイファイオーディオ機器やテレビ、PC、MP3プレーヤーなどのオーディオ出力端子に接続されます。

レシーバーは、自由に設置することができ、ケーブルの制約を受けずにスピーカーを移動させることが可能です。レシーバー/スピーカーユニットには、一般的にオーディオ信号を増幅するアンプが内蔵されており、バッテリーやAC電源で駆動します。バッテリー駆動の場合、3～4時間程度の連続使用が可能です。一部のモデルでは充電式バッテリーが採用されています。

無線通信

使用される信号周波数帯は、一般的にコードレス電話と同じ900MHz帯です。RF信号は壁や床、天井などを通過できるため、メーカーは45〜91メートルの範囲で信号が届くと公表しています。多くのワイヤレススピーカーには、他の無線機器との干渉を避けるために、チャンネル調整機能が搭載されています。Bluetoothは、無線通信のため、お互いが見通せる場所に置く必要はありません。

様々な種類のワイヤレススピーカー

ワイヤレススピーカーは、様々なニーズに合わせて設計されています。

ステレオスピーカー: 1台のスピーカーで左右両方のステレオチャンネルを再生できます。
屋外用スピーカー: 耐候性の高い頑丈なケースを採用しており、屋外での使用に適しています。
ホームシアター用スピーカー: リアスピーカーのみがワイヤレスで、フロントスピーカーは有線接続となる特殊なモデルもあります。

ワイヤレススピーカーの普及と課題

ワイヤレススピーカーは、コードレス電話などの他の無線機器との干渉や、一部モデルでの音質の課題から、オーディオ愛好家からは批判されることもあります。しかし、その利便性から消費者の間で人気が高まり、市場に流通する製品数も増加しています。

特に、小型で携帯性に優れたBluetoothスピーカーは、都市部の集合住宅に住むユーザーを中心に急速に需要が拡大しています。これは、隣室への騒音問題などから、オーディオ機器の設置を控えていた層からの支持が厚いためです。

ハイブリッドワイヤレススピーカー

2015年以降、VOIP通話機能を搭載したワイヤレススピーカーも登場しています。これにより、スピーカーフォンとしての利用も可能になりました。

関連リンク

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