Digital Living Network Alliance

Digital Living Network Alliance (DLNA) について

Digital Living Network Alliance（DLNA）は、2003年6月に設立された非営利の業界団体です。異なるメーカーの家電製品、モバイル機器、パーソナルコンピュータ間の相互接続性を高めることを目的としています。当初はDigital Home Working Group（DHWG）として活動していましたが、2004年6月に現在の名称に変更されました。

概要

DLNAの主な目標は、加盟企業の製品間で相互互換性を持たせ、家庭内での電子機器間のネットワーク接続を容易にすることです。これにより、消費者はデジタルコンテンツをシームレスに楽しむことができます。具体的には、DLNAガイドラインで、各社の製品が共通して対応すべきメディアフォーマット（コーデック）、機器間の通信手順（UPnPベース）、ユーザーインターフェースなどが定められています。

DLNAガイドラインには、2004年6月に発表されたVer.1.0と、2006年3月に発表された拡張ガイドラインVer.1.5の2種類があります。2005年9月からは、DLNAガイドラインに準拠した機器に対する認証とロゴプログラムが開始されました。認証を受けた製品には、PCソフトウェア、HDDレコーダー、薄型テレビ、セットトップボックス、NAS、スマートフォンなどが含まれます。現在、次世代ガイドラインVer.2.0の開発が進められています。

DLNAは元々家電メーカーを中心に発足しましたが、ベースとなるUPnPを策定したマイクロソフトやインテルの影響も強く、特にインテルはDLNAを拡張したViivを、マイクロソフトはDLNAをベースにしたPlays For Sureを提唱しています。

UPnP、DLNA、Viiv、Plays For Sureは、ベースとなる規格が同じであるため、相互互換性を持っています。これらの規格の中でも、DLNAは家電製品に特化しており、日本国内での普及が顕著です。プロトコルにHTTPを使用しているのも特徴です。また、類似の規格としてサン・マイクロシステムズが提唱するJiniがありますが、こちらはJavaベースであり、互換性はありません。AppleのiTunesなどで使用されるBonjourも、IETFで策定されたZeroconfに基づいたマルチキャストDNSベースのプロトコルであり、DLNAとの互換性はありません。

日本では、ViivやPlays For SureよりもDLNAに対応した機器が多く、メインストリームとなっています。

2005年9月には、電波産業会（ARIB）がデジタル放送のネットワーク配信にDTCP-IPを使用することを承認しました。DLNAとDTCP-IPは元々異なる規格でしたが、2006年10月に発表された「DLNAリンクプロテクションガイドライン」では、DTCP-IPが必須の著作権管理技術として採用されました。これにより、日本国内では地上デジタル放送やBS・110度CSデジタル放送をDLNAとDTCP-IPを併用してネットワーク配信する機器が販売されています。

2017年1月5日には、DLNAの解散が発表され、認証サービスはスパイアスパーク・インターナショナル社に引き継がれました。UPnPをネットワークプロトコルとして利用する技術の後継には「OpenHome」があります。

主なバージョン

DLNA 1.0 (Ver.1.0)
2004年6月に発表され、2005年9月に認証プログラムが開始されました。主にAV機器、音楽、画像などのPCや家電製品間の相互通信について規定されています。
サーバー（DMS）とプレーヤー（DMP）間のネットワークが基本構成です。コントローラー（DMC）はプレーヤー側に内包されているため、このバージョンを採用したAV機器はネットワークオーディオには含まれません。

DLNA 1.5 (Ver.1.5)
2006年3月に発表されたVer.1.0の拡張ガイドラインです。プリンターや携帯機器（PDAやデジタルカメラなど）も対象範囲に含まれました。
DTCP-IPが必須の著作権管理技術として採用され、Windows Media DRM 10はオプションとして指定されました。
Ver.1.0との大きな違いは、コントローラー（DMC）が独立したことです。サーバー（DMS）、レンダラー（DMR）、コントローラー（DMC）の3つが基本構成となっています。
日本国内メーカーのネットワークオーディオプレーヤーの多くがこのバージョンを採用していますが、プレイリスト管理がコントローラー側のアプリに依存するという短所があります。

代表的な対応製品

ソニー
「ソニールームリンク」という機能名称で、BRAVIA（液晶テレビ）、コクーン（HDDレコーダー）、スゴ録（DVDレコーダー）、VAIO (PC)、NETJUKE（ミニコンポ）、BDZシリーズ（BDレコーダー）、Sony Tablet（タブレット端末）などが対応しています。
ソニー・コンピュータエンタテインメント: プレイステーション3（ゲーム機）、nasne（NAS）

DigiOn
DiXiM（PC用ソフトウェア）

東芝
RDシリーズ（DVDレコーダー）、Face（液晶テレビ）、REGZA（液晶テレビ）、Qosmio (PC)、dynabook (PC)、レグザブルーレイ（BDレコーダー）、レグザタブレット（タブレット端末）などが対応しています。

パナソニック
「お部屋ジャンプリンク」として、ディーガやビエラで録画した番組を別の部屋で視聴できます。
VIERA（プラズマテレビ・液晶テレビ）、ブルーレイDIGA（BDレコーダー）などが対応しています。

アイ・オー・データ機器
AVeL LinkPlayer（ネットワークメディアプレーヤー）、LANDISK（NAS）

バッファロー
LinkTheater（ネットワークメディアプレーヤー）、LinkStation（NAS）、TeraStation（NAS）

ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ（現ソニーモバイルコミュニケーションズ）
C905（携帯電話）

日立製作所
Wooo（液晶テレビ）

シャープ
AQUOSブルーレイ（BDレコーダー）

主な加盟企業

ソニー
パナソニック
パイオニア
東芝
シャープ
マイクロソフト
インテル
ヒューレット・パッカード
フィリップス
サムスン電子
ノキア
モトローラ
ACCESS
エイサー
マーベル・テクノロジー・グループ

関連項目

VLC media player
Server Message Block

脚注

外部リンク

DLNA

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