ワイルドアゲイン

ワイルドアゲイン：クラシックの初代王者とその輝かしい血統

ワイルドアゲインは、アメリカ合衆国で活躍した競走馬にして、数々のG1優勝馬を輩出した成功種牡馬です。1984年、第1回ブリーダーズカップ・クラシックを制覇した栄光は、彼の名を競走馬史に刻み込みました。華々しい種牡馬生活も相まって、ワイルドアゲインはアメリカ競馬界に大きな足跡を残したと言えるでしょう。

遅咲きの才能：競走馬時代

1982年、ルイジアナ州で2歳馬としてデビューしたワイルドアゲインは、初戦こそ2着に終わりましたが、続くレースで初勝利を挙げます。その後も勝利を重ねるものの、その後は思うように勝ち上がることができず、3歳シーズンは全休という苦しい時期を過ごしました。

しかし、4歳で戦列復帰すると、彼の才能が開花し始めます。ニューオリンズハンデキャップ（G2）で重賞初制覇を果たすと、勢いに乗ってオークローンハンデキャップ（G2）をレコードタイムで制覇。さらにメドウランズカップハンデキャップ（G1）でG1競走初勝利を飾ります。

そして迎えたのが、歴史的瞬間となるブリーダーズカップ・クラシックです。15戦を消化し、安定性に欠ける成績から6番人気という低評価でしたが、彼はスタートから先頭に立ち、逃げ切りを成功させました。スルーオゴールドやゲートダンサーとの激しい競り合いを制し、初代優勝馬の栄冠を手にしたのです。

翌1985年シーズンは4戦して勝利を収めることができず、競走馬としてのキャリアを終えました。

種牡馬としての成功：G1馬を輩出

競走馬引退後、種牡馬となったワイルドアゲインは、当時としては異例な血統背景にも関わらず、大きな成功を収めました。初年度から重賞5勝を挙げたアワイルドライドを始め、毎年のようにG1競走優勝馬を輩出。その活躍は、彼の遺伝子の素晴らしさを証明しています。日本にもナリタキングオーなど数頭の重賞勝ち馬を送り込みました。また、アメリカでG1を2勝したワイルドラッシュは、後に日本へ導入され種牡馬となりました。

2004年に種牡馬を引退したワイルドアゲインは、ケンタッキー州のスリーチムニーズファームで余生を過ごしましたが、2008年12月5日、老衰のため安楽死の措置が取られました。

輝かしい血統：優良な遺伝子の継承

ワイルドアゲインの父は、ノーザンダンサーを介さないニアークティック系種牡馬の代表格であり、クレヴァートリックなどの活躍馬も輩出しています。母は重賞勝ち8回の実績を持つ活躍馬で、その牝系は日本とも深い繋がりがあります。3代母クローヴリーからは、1969年の啓衆社賞最優秀3歳牡馬アローエクスプレスや1982年の東京優駿優勝馬バンブーアトラスといった名馬が誕生しています。さらにクローヴリーの甥には、日本で7度のリーディングサイアーを獲得した名種牡馬ヒンドスタンもいます。4代母ウダイプールは1932年のエプソムオークス優勝馬という、まさに名門中の名門からの血統を受け継いでいました。

ワイルドアゲインの生涯は、競走馬としての苦難と成功、そして種牡馬としての輝かしい功績を物語る、まさにドラマチックな物語です。彼の血統は、現在も世界中の競馬界に影響を与え続けています。

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