ワイルド・アット・ハートとは？意味をやさしく解説

『ワイルド・アット・ハート』の概要

『ワイルド・アット・ハート』（Wild at Heart）は、1990年に公開されたアメリカの映画で、デヴィッド・リンチが監督を務めました。この作品は、セックスと暴力に彩られた男女の逃避行を独自の映像美で表現したロードムービーです。カンヌ国際映画祭では最高賞のパルム・ドールを受賞し、ヒロインの母親役を演じたダイアン・ラッドはアカデミー助演女優賞にノミネートされるなど、高い評価を得ました。

あらすじ

物語は、セイラーという青年が恋人のルーラを連れ、彼女の母親マリエッタの執念から逃れるところから始まります。マリエッタは執拗なまでに娘に対する愛情を持ち、セイラーに対しては激しい恨みを抱いています。セイラーは、ルーラの母親から刺客を派遣され、逆にその男を殺してしまいます。この出来事をきっかけに、二人はカリフォルニアへと逃避行に出かけます。

せっかく出所したセイラーは、二人で新たな生活を始めるために抱いていた夢を実現することを願いながら旅を続けますが、マリエッタは簡単には黙っていません。私立探偵や執拗な追手を巻き込んで、彼女はますます凶暴さを増していきます。旅の中で彼らは様々な困難に直面し、向かい合うことになりますが、その先には意外な秘密が待ち受けていました。

キャスト

- セイラー - ニコラス・ケイジ（日本語吹替：相沢正輝）
- ルーラ - ローラ・ダーン（日本語吹替：吉田陽子）
- ボビー・ペルー - ウィレム・デフォー（日本語吹替：桐本琢也）
- マリエッタ - ダイアン・ラッド（日本語吹替：塩田朋子）
- ジョニー - ハリー・ディーン・スタントン（日本語吹替：牛山茂）
- マーセラス・サントス - J・E・フリーマン（日本語吹替：水内清光）
- デル - クリスピン・グローヴァー
- ペルディータ - イザベラ・ロッセリーニ

音楽と評価

映画の音楽はアンジェロ・バダラメンティによって作曲され、エルヴィス・プレスリーの『ラヴ・ミー』や『ラヴ・ミー・テンダー』などが挿入歌として効果的に使用されています。評価面では、レビューアグリゲーターのRotten Tomatoesで68%の支持率を獲得し、Metacriticでも52点の加重平均値を記録しました。特に、フレデリック・エルムスはインディペンデント・スピリット賞で最優秀撮影賞を受賞しています。

続編と関連作品

続編である『ペルディータ』は、全く新しいキャストとスタッフで制作されています。また、本作は『オズの魔法使い』からのオマージュが多く含まれており、ルーラが踵を鳴らすシーンや「悪い魔女」と「良い魔女」が登場するシーンが特に顕著です。他にも『ナチュラル・ボーン・キラーズ』や『トゥルー・ロマンス』といった作品が関連映画として挙げられます。

このように『ワイルド・アット・ハート』は、異色のストーリー展開や視覚的表現、音楽によって観る者を魅了し、映画史において重要な位置を占めています。

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