ワシャキー

ワシャキー: ショーショーニー族の指導者

初期の経歴

ワシャキー（Washakie）は、1808年頃に生まれ、1900年に亡くなったショーショーニー族の指導者です。彼の青年時代の詳細は不明ですが、いくつかの伝承によると、彼はフラットヘッド族の父親とレミー・ショーショーニー族の母親のもとに生まれたとされています。両族は狩猟や交易を共に行う関係にあり、彼らの領土はロッキー山脈のビタールート山脈を中心に広がっていました。ワシャキーの生まれたときの名前は「ピナクアナ」であり、後に他の名前も持ちました。彼が戦士としての名を馳せるようになるのは、1840年に毛皮罠猟師オズボーン・ラッセルの記録に初めて登場してからです。

戦闘の名声と成長

ワシャキーは、バッファロー狩猟の混乱の中で家族と離れ、後にショーショーニー族またはバンノック族に見つけられました。この経験により、彼は戦士としての技術と知識を身につけていきます。彼は戦闘において特異な技量を示し、その名は「ザ・ラトル」や「走りながらの射撃」としても知られるようになりました。彼の名声は、毛皮交易にもつながります。

毛皮交易への参加

アイダホ東部で、ショーショーニー族とバンノック族は毛皮交易に参加しました。ワシャキーは、多くの交易業者と接触し、フランス語や英語を習得しました。特にジム・ブリッジャーとの友情が彼の人生に影響を与え、彼らは雅な関係を築きました。ブリッジャーは1850年にワシャキーの義理の息子となり、彼は自身の部隊の主導権を得て、アメリカ政府との交渉にも関与しました。

ブリッジャー砦条約

1863年と1868年、ワシャキーはアメリカ合衆国政府との間でブリッジャー砦条約に署名し、ショーショーニー族の領土を確立しました。1863年の条約では、領土の境界線が設定され、1868年の条約では更なる権利が保障されました。これにより、ショーショーニー族が教育を受けるべきだと考えたワシャキーは、外部からの教育者を招き、伝統的な技術や言語を後世に伝える寄宿学校を設立しました。

信仰と文化の維持

ワシャキーは、ブリガム・ヤングと友人関係を結び、モルモン教徒との関わりを持ちました。彼の信仰は、1880年に彼自身と300人以上のショーショーニー族員を教会に導くことになります。また、米国聖公会のジョン・ロバーツも彼との交流が深く、彼らはショーショーニー族の文化や伝統を大切に育んでいきました。再度洗礼を受けた1897年、ワシャキーは聖公会の信者となりました。

栄光と影響

彼の武勇と平和のための努力により、ワシャキーはインディアンの歴史の中でも尊敬される指導者となりました。彼の死後、軍装の礼で葬儀が行われた人物として特別な存在となり、ワイオミング州の地名や記念物にもその名が刻まれています。また、戦争中には海軍の船にも彼の名が冠されるなど、彼の影響力は今でも忘れられることはありません。ワシャキーは、ショーショーニー族やその後の世代に多大な影響を与えた偉大な指導者として歴史に名を残しています。

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