ワシントン・キャピトルズ

ワシントン・キャピトルズは、1940年代後半から1950年代初頭にかけて存在した、アメリカ合衆国のプロバスケットボールチームです。本拠地はワシントンD.C.のユーライン・アリーナでした。

チームは、BAA（Basketball Association of America、NBAの前身）が創設された1946-47シーズンから参戦しました。最初の3シーズンは、後にボストン・セルティックスのヘッドコーチとして黄金時代を築き、バスケットボール殿堂入りも果たした名将、レッド・アワーバックが指揮を執りました。アワーバックの指導の下、キャピトルズは強豪チームとして名を馳せました。

1946-47シーズン、キャピトルズは49勝11敗という圧倒的な成績を収め、勝率は81.7%に達しました。しかし、プレーオフ準決勝で惜しくも敗退し、ファイナル進出はなりませんでした。翌1947-48シーズンは28勝20敗、1948-49シーズンは38勝22敗という成績で、BAAファイナルに進出しましたが、タイトル獲得には至りませんでした。

1949-50シーズンからは、チームの得点王であったボブ・フィーリックが選手兼ヘッドコーチに就任しました。しかし、このシーズンは32勝36敗と、過去のシーズンに比べて成績は振るいませんでした。1950-51シーズンは、開幕から10勝25敗と低迷し、1951年1月9日にチームは解散という決断を下しました。ちなみに、このシーズンのチーム得点王はビル・シャーマンでした。

キャピトルズは、短い活動期間の中で、NBAの歴史に重要な足跡を残しました。1950年にキャピトルズがドラフト指名したアール・ロイドは、同年10月31日の試合に出場し、NBA史上初のアフリカ系アメリカ人選手となりました。ロイドの出場は、NBAにおける人種差別の壁を打ち破る上で大きな一歩となり、その後のリーグの多様性を促進する上で重要な出来事となりました。

ワシントン・キャピトルズは、その短い歴史の中で、レッド・アワーバックやボブ・フィーリックといった名指導者、そしてアール・ロイドという歴史的な選手を擁し、アメリカのプロバスケットボールの黎明期において重要な役割を果たしました。チームは消滅しましたが、その名はNBAの歴史に刻まれています。

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