ワズワース (DD-516)

USS Wadsworth (DD-516)

USS Wadsworth (DD-516)は、アメリカのフレッチャー級駆逐艦のうちの一隻で、艦名はアレキサンダー・S・ワズワース提督にちなんで名付けられました。これは同名の艦船としては2代目となります。第二次世界大戦中に多くの任務を遂行した後、1952年には西ドイツ海軍に譲渡され、「Z3 (Zerstörer 3)」と改名されました。その後、1980年まで使用された後、ギリシャ海軍に移籍し、再び改名されて「ネアルコス (D65)」として活動しましたが、1991年には解体されました。

艦歴

「ワズワース」は1942年の8月18日に、メイン州バスのバス鉄工所で起工され、1943年の1月10日に進水しました。この際、艦名の由来となったワズワース提督の5世孫、レベッカ・ワズワース夫人によって進水されました。3月16日にはボストン海軍工廠で正式に就役し、ジョン・F・ウォルシュ指揮官のもとで働き始めました。

艦は4月5日にボストンを出航し、カスコ湾での演習を経て、キューバのグアンタナモ湾へ向かいました。5月には空母「ヨークタウン」や「プリンストン」の護衛を務め、またノーフォークにて任務の合間に整備を受けました。6月にはデラウェア防波堤沖で空母群と合流し、南下してパナマ運河を目指しました。ハワイの真珠湾に到着後は、さらなる護衛任務を続けました。

8月にはブーゲンビル海峡にて日本軍潜水艦が損害を与えたタンカーを沈めるための作戦を行い、9月にはエファテ島での任務群と行動を共にしました。この他にも、ドロップコインで激しい汚染となった日本軍の拠点を撃破し、侵攻部隊の支援を行いました。

ガダルカナルからブーゲンビル島へ

「ワズワース」は1944年も引き続き、ブーゲンビル島の占領を支援し、沿岸砲撃任務に従事しました。また、数度の上陸作戦にも参加し、激しい戦局の中で活躍しました。特に、11月の2回目の上陸サポートでは、海岸線にある日本軍の施設を破壊し、数機の攻撃機を撃退しました。

1945年には、パラオ諸島や硫黄島への護衛任務に加え、フィリピンの戦いにも参加しました。戦闘機指揮艦としても行動し、数多くの日本軍航空機を撃墜しました。特に沖縄沖の戦闘では、数々の空襲を迎撃し、艦の防衛に成功しました。

戦後の運命

終戦後の「ワズワース」は、占領任務を果たし、アメリカに帰還しました。その後、1959年にはドイツ海軍に譲渡され、Z3として再スタートを切りました。西ドイツ海軍において6年間の借用が続き、1974年には除籍され、1980年にギリシャ海軍に移籍しました。1991年には運用を終え、解体されました。

「ワズワース」は第二次世界大戦中に多くの栄誉を受け、合計7つの従軍星章と大統領殊勲部隊章を授与されるなど、その功績は称えられています。

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