ワタシにキメテ

『ワタシにキメテ』（原題: Chasing Papi）は、2003年に製作されたアメリカ合衆国のロマンティック・コメディ映画です。リンダ・メンドーサが監督を務め、ロゼリン・サンチェス、ソフィア・ベルガラ、ジャキ・ヴェラスケス、エドゥアルド・ヴェラステーギらが出演しています。アメリカ各地に暮らす3人の女性が、ロサンゼルスに住む1人の魅力的なプレイボーイを巡って激しい恋の争奪戦を繰り広げる様子を描いた作品です。

日本では劇場公開はされませんでしたが、2005年 2月18日にDVDが発売されたほか、テレビ放送も行われました。

ストーリー

物語の中心となるのは、ロサンゼルスで活躍するハンサムな青年、トーマス・フエンテス、通称「パピ」。彼は天性のプレイボーイであり、シカゴの知的な弁護士ロレナ、マイアミでウェイトレスとして働くダンサー志望のシシ、そしてニューヨークから来たお嬢様パトリシアという、全くタイプの異なる3人の女性と同時に交際していました。

ある日、運命のいたずらか、この3人が偶然にもパピの自宅で鉢合わせしてしまいます。自分たちが三股をかけられていた事実に怒り心頭に発しながらも、それぞれの女性は「自分こそがパピに選ばれるにふさわしい」と信じて疑いませんでした。しかし、3人からの追及に追い詰められたパピは、鎮静剤を過剰摂取した結果、意識を失って倒れてしまいます。

その後、思わぬ事態に巻き込まれます。シシが知らずにマイアミから運ばされていた多額の現金を巡る騒動に巻き込まれることになったのです。この金塊を追うFBI捜査官や、受け取りを巡る男たちの思惑が複雑に絡み合い、3人の女性は衝突を繰り返しながらも、共通の危機を乗り越える中で、徐々に互いを理解し、奇妙な友情を育んでいきます。

金銭を巡る騒動が無事に解決し、パピと再会した3人は、一連の経験を通じて新しい自分自身を発見したことに気づきます。もはやパピを必要としないという結論に至り、3人全員が彼に別れを告げます。それから5ヶ月後、固い友情で結ばれた3人は、それぞれの新しい人生を力強く歩み始めるのでした。

主な登場人物とキャスト

ロレナ・モラレス - 演: ロゼリン・サンチェス (吹替: 冬馬由美): シカゴを拠点とする弁護士。眼鏡を外すと印象が変わり、セクシーな魅力を放ちます。物語中、ミス・プエルトリコと間違われる場面も。
シシ - 演: ソフィア・ベルガラ (吹替: 杉本ゆう): マイアミでウェイトレスとして働きながら、ダンサーを目指しています。明るくグラマラスなキャラクターです。
パトリシア・コロナド・デル・パスカドール - 演: ジャキ・ヴェラスケス (吹替: 村井かずさ): ニューヨークの上流階級の令嬢。青いコンタクトレンズが特徴的です。
トーマス（パピ）・フエンテス - 演: エドゥアルド・ヴェラステーギ (吹替: 川島得愛): ロサンゼルスに住む、本作の中心人物であるプレイボーイ。ロレナ、シシ、パトリシアの3人と同時に関係を持っています。
カルメン・リベラ - 演: リサ・ヴィダル: FBIの捜査官。シシが運んできた現金の行方を追跡しています。
ロドリゴ - 演: D・L・ヒューリー: シシが運んだ現金を受け取る予定だった人物。
ビクター - 演: フレディ・ロドリゲス (吹替: 小森創介): ロドリゴの相棒。歯科医であり、直前に神経を抜いたために頬が腫れています。

評価

本作に対する批評家の評価は概して厳しいものでした。

映画評論サイト「Rotten Tomatoes」では、49件のレビューのうち、支持率はわずか14%に留まり、平均点は10点満点中3.9点でした。批評家たちの総意としては、「不快なトーンであり、主演の3人にも適切な見せ場を作れていない」とし、観客を遠ざける作品であると評されています。

別のレビュー収集サイト「Metacritic」でも、23件の評論に基づいた平均点は100点満点中33点と低調でした。ここでは、好意的な評価が4件、賛否が分かれた評価が8件、そして否定的な評価が11件という内訳になっています。

批評家からはあまり高く評価されなかった本作ですが、3人の女性が対立から友情へと変化し、最終的に自立していくという物語は、特定の観客には響くかもしれません。

ワタシにキメテ