ワナビー (曲)

スパイス・ガールズの代表曲「ワナビー」

「ワナビー」（Wannabe）は、1990年代を代表するガールズグループ、スパイス・ガールズのデビューシングルとして、世界的なセンセーションを巻き起こしました。1996年11月に発売されたデビューアルバム『スパイス』に収録され、メンバー全員とマット・ロウ、リチャード・スタッナードによって作詞・作曲、ロウとスタッナードによってプロデュースされました。

楽曲の特徴と影響

アップテンポなダンスポップである「ワナビー」は、メラニー・ブラウンとジェリ・ハリウェルのラップが特徴的です。歌詞は、異性愛者の絆を超えた女性の友情の価値をテーマにしており、女性のエンパワーメントとグループの「ガールパワー」哲学を象徴するものとして広く認知されました。この曲は、1997年のアイヴァー・ノヴェロ賞とブリット・アワードの最優秀シングル賞を受賞しています。

「ワナビー」は、スパイス・ガールズを世界的なスターダムに押し上げるきっかけとなりました。ヨハン・カミッツが監督したミュージック・ビデオは、イギリスのケーブルネットワークThe Boxで頻繁に放映され、グループへの関心を高めました。その後、イギリスのラジオで集中的にオンエアされ、テレビ番組への出演や雑誌のインタビュー、写真撮影などが相次ぎました。

ヴァージン・レコードは、高まる人気に応え、アルバム『スパイス』の発売予定日を前倒しして、1996年7月に「ワナビー」をシングルとしてリリースしました。この曲は、全英シングルチャートで7週連続1位を獲得し、英国レコード産業協会からダブルプラチナに認定されました。1997年1月にはアメリカ合衆国でも発売され、Billboard Hot 100で4週連続1位を獲得。1996年末までに22か国、1997年3月までに37か国で1位を獲得しました。

記録的なセールス

「ワナビー」は、イギリスで1,380,000枚（2015年時点）、アメリカで2,910,000枚（2014年時点）を販売し、最も売れた女性グループのシングルとなりました。1997年末までに世界中で700万枚を超える売上を記録し、2014年には過去60年間で最も認知されたポップソングとして評価されました。

ライブパフォーマンス

「ワナビー」は、スパイス・ガールズのライブで常に演奏される定番曲です。メラニー・ブラウンが曲紹介をし、メラニー・チズムがアクロバティックなパフォーマンスを披露するのが恒例でした。ジェリ・ハリウェルの脱退後は、他のメンバーが彼女のパートを分担して歌いました。2012年のロンドンオリンピック閉会式では、ロンドンタクシーに乗車して「ワナビー」を歌唱し、話題となりました。

カバーと映画での使用

「ワナビー」は、数多くのアーティストによってカバーされています。

µ-Ziq - 『ルナティック・ハーネス』（1997年）収録
アル・ヤンコビック - ポルカ・メドレー「Polka Power!」で使用（1999年）
ゼブラヘッド - 『Waste of MFZB』（2004年）収録
ジョーン・キューザックとスティーヴ・ザーン - 映画『チキン・リトル』サウンドトラック（2005年）収録
HACO - 日本語カバー（1997年）
南波志帆 - カバーアルバム『"Choice" by 南波志帆』（2012年）収録

また、オービタルは楽曲「スパイシー」で「ワナビー」をはじめとするスパイス・ガールズの楽曲を使用しています。

「ワナビー」は、スパイス・ガールズのキャリアを象徴するだけでなく、1990年代のポップカルチャーを代表する楽曲として、今もなお世界中の人々に愛され続けています。

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