ワベル・ラムカラワン

ワベル・ジョン・チャールズ・ラムカラワン

ワベル・ジョン・チャールズ・ラムカラワン（Wavel John Charles Ramkalawan, 1961年3月15日 - ）は、セーシェルの政治家であり、同国の第5代大統領を務めています。彼はセーシェル民主同盟に所属しており、セーシェル聖公会の司祭でもあります。独立以来、長年の間与党であった統一セーシェルに対し、野党候補として大統領選挙で勝利しました。

経歴

ラムカラワンは、マヘ島の質素な家庭で3人兄弟の末っ子として生まれました。彼の祖父はインド・ビハール州出身で、父親は金属加工職人、母親は教師でした。彼はセント・ポール神学校で神学を学び、1985年に司祭に叙階されました。その後、バーミンガム大学でも神学を学んでいます。

帰国後、ラムカラワンはいくつかの小教区で司祭として活動しました。司祭としての仕事が、彼を政治の道へと導くきっかけとなりました。司祭としての活動を通じて、統一セーシェルの一党独裁政権下における弾圧を目の当たりにし、教会で自由の拡大と法の支配の遵守を訴えました。

1991年、ラムカラワンは統一セーシェルの反体制派であったジャン=フランソワ・フェラーリと共に政党の創設に携わりました。当時の独裁者であったフランス＝アルベール・ルネは、東側諸国の崩壊に危機感を覚え、複数政党制の復活を発表しました。これを受け、ラムカラワンは1993年の議会選挙に出馬しましたが、得票率は4%にとどまり、議会議員に当選することはできませんでした。その後、2001年にはルネと大統領の座を争いましたが、54%対45%で惜しくも敗北しました。ルネが辞任した後も、ジェイムス・ミシェルの有力な対戦相手として、2015年の総選挙では50.15%対49.85%という僅差で敗れました。

2020年の大統領選挙では、ダニー・フォール大統領を破り、54.9%対43.9%でセーシェル初の平和的な政権交代を実現し、同年10月に大統領に就任しました。大統領就任後、彼は「海洋安全保障の保全、麻薬乱用や海賊行為の防止などの相互協力の拡大」を公約として掲げています。

ラムカラワンの政治家としての道のりは、信念と献身に満ちたものでした。司祭としての経験を通して得た社会正義への強い思いが、長年の独裁政権に挑む原動力となり、最終的にはセーシェル国民の信頼を得て大統領の座に就くこととなりました。彼のリーダーシップの下、セーシェルがどのように発展していくのか、今後の動向が注目されます。

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