『ワンス・アポン・ア・タイム in ワンダーランド』:アリスの新たな冒険
『ワンス・アポン・ア・タイム in ワンダーランド』(原題: Once Upon a Time in Wonderland)は、大ヒット
ファンタジー・ドラマ『ワンス・アポン・ア・タイム』から生まれた
スピンオフ作品です。
ルイス・キャロルの名作『
不思議の国のアリス』をベースに、独自のストーリーが展開する、魅力的な
ファンタジー・ドラマとなっています。
物語の概要
舞台は現代のワンダーランド。
ヴィクトリア朝時代の
イギリスから、不思議な国へと足を踏み入れたアリスの
冒険が描かれます。透明人間である
チェシャ猫や、
水タバコをくゆらすイモムシなど、個性豊かなキャラクターたちが登場する、奇想天外な世界観が魅力です。
物語は、アリスのワンダーランド体験が中心となりますが、『ワンス・アポン・ア・タイム』本編の世界である
メイン州ストーリーブルックや、その住人たちとのクロスオーバーも存在します。しかし、本編を知らなくても十分に楽しめる構成になっているため、安心して視聴できます。
共同
ショーランナーのエドワード・キッツィスは本作を「サイケデリック・ロマンス」と表現しており、
ヴィクトリア朝時代の
イギリスを舞台にしたアリスの物語と、
スチームパンク風の映像表現が見事に融合しています。
本作の特徴として、全エピソード数が通常のフルシーズン(22話)よりも短い、コンパクトな構成が挙げられます。そのため、一つのまとまった物語として、短期間で完結に楽しめる点が魅力と言えるでしょう。もしもシーズン2が制作された場合、全く新しい
冒険が描かれる予定でした。
第1話のあらすじ
物語は、
ヴィクトリア朝の
ロンドンでアリスがワンダーランドの
冒険を語る場面から始まります。しかし、誰も彼女の話を信じません。証拠を求めてワンダーランドに何度も足を運ぶアリスは、そこで赤の女王の兵士たちに追われる身となります。
逃げる途中、アリスは瓶に閉じ込められた精霊、サイラスと出会います。アリスに解放されたサイラスとアリスは恋に落ちますが、サイラスは赤の女王の魔法によって絶壁から突き落とされてしまいます。
ロンドンに戻ったアリスは精神病院に収容されます。サイラスを想い悲しむアリスに、医師は記憶を消す手術を提案します。しかし、その直前に、ハートのジャックと白ウサギが現れ、アリスをワンダーランドへと連れ戻します。
白ウサギによると、サイラスはまだ生きているとのこと。3人は、サイラスを探す旅に出るのです。一方、赤の女王とジャファーは、アリスたちを邪魔しようと陰謀を企てます。
主要キャラクター
アリス: 主人公。ワンダーランドの
冒険を語るものの、信じてもらえず精神病院に収容される。恋人のサイラスを探すためにワンダーランドに戻る。剣術や格闘技にも長けている。
ハートのジャック / ウィル・スカーレット: ワンダーランドの住人。現代のストーリーブルックで暮らしていたが、アリスを救うためにワンダーランドに同行する。
サイラス: 瓶に閉じ込められていた精霊。アリスと恋に落ちるが、赤の女王に殺されたと思われていた。
赤の女王: ワンダーランドの女王。魔法使いだが、ジャファーの言いなりになっている。
ジャファー: アグラバーの強力な魔法使い。サイラスを捕まえ、その力を利用しようとする。
白ウサギ: ワンダーランドに住む、喋るウサギ。赤の女王に利用されている。
製作とキャスティング
本作は、『ワンス・アポン・ア・タイム』のクリエイターであるエドワード・キッツィスと
アダム・ホロウィッツによって企画されました。当初は狂った
帽子屋を主人公とする予定でしたが、最終的にアリスが主人公に選ばれました。
主要キャストには、ソフィー・ロウ(アリス)、ピーター・ガディオット(サイラス)、マイケル・ソーチャ(ハートのジャック)、エマ・リグビー(赤の女王)、ナヴィーン・アンドリュース(ジャファー)などが名を連ねています。
評価
本作は、批評家から様々な評価を得ています。映像表現や俳優陣の演技、そしてストーリー展開などは高く評価された一方、本家との類似性や、物語の詰め込みすぎといった指摘もありました。
放送と配信
アメリカ合衆国での放送に続き、
カナダ、
オーストラリア、そして日本ではディズニーデラックスで配信されました。
類似作品
本作は、『
不思議の国のアリス』を題材とした作品の一つですが、
ティム・バートン監督の映画版『アリス・イン・ワンダーランド』など、過去の作品とは異なる独自の世界観が構築されています。また、同じ時期に他のテレビ局でも『
不思議の国のアリス』を題材とした企画が進行していましたが、実際に放送されたのは本作のみでした。
まとめ
『ワンス・アポン・ア・タイム in ワンダーランド』は、『ワンス・アポン・ア・タイム』の世界観を受け継ぎつつも、独自の魅力を持つ
ファンタジー・ドラマです。コンパクトなストーリー展開と、魅力的なキャラクター、そして美しい映像は必見です。