ワンダーウェーブ

ワンダーウェーブ

ワンダーウェーブ（WonderWave）は、かつてバンダイからリリースされていた携帯型ゲーム機、ワンダースワンシリーズのための拡張周辺機器です。この機器は、ワンダースワンというプラットフォームにおけるユニークな機能を実現するために開発されました。

概要

ワンダーウェーブの最も注目すべき機能は、当時ソニー・コンピュータエンタテインメント（現ソニー・インタラクティブエンタテインメント）がPlayStation向けに展開していた携帯型周辺機器、ポケットステーションとの間で赤外線通信を利用したデータの送受信が可能であった点にあります。これにより、異なるプラットフォーム間でゲームデータを連携させるという、当時のゲーム業界としては比較的新しい試みが実現されました。

対応機種としては、初代のワンダースワンだけでなく、機能改良モデルであるワンダースワンカラーや、最終モデルであるスワンクリスタルといった後継機種でも利用することができました。

接続方法については、ワンダースワン本体の底部に設けられている拡張端子に直接差し込んで使用します。ただし、この拡張端子はワンダーウェーブ以外の周辺機器、例えばヘッドフォンアダプターなどと共有されているため、ワンダーウェーブを使用している間は、それらの機器を同時に接続して使うことはできませんでした。外観上の特徴として、ヘッドフォンアダプターが無色透明のクリア素材であったのに対し、ワンダーウェーブはクリアブラックの色合いが採用されていました。

対応ソフトウェア

ワンダーウェーブの機能を利用するためには、ワンダーウェーブに対応したゲームソフトウェアが必要でした。これらのソフトウェアは、ポケットステーションや特定のPlayStation用ゲームとの連携を前提に設計されており、データのやり取りを通じてゲームプレイに様々な変化や要素の追加をもたらしました。主な対応ソフトウェアは以下の通りです。

デジタルパートナー (SWJ-BAN02C): このタイトルは、PlayStation用ソフト『ポケットデジモンワールド』と連携します。本作にはワンダーウェーブ本体が同梱された「デジタルパートナー ワンダーウェーブ同梱版」(SWJ-BAN02F)も存在しました。
Gジェネレーションギャザービート (SWJ-BAN030): PlayStationの『Gジェネレーション』シリーズとの連携機能を持つ作品です。具体的には、PlayStation用ソフト『GジェネレーションFプレミアムディスク』との間でデータの送受信が行えました。こちらも「Gジェネレーションギャザービート ワンダーウェーブ同梱版」(SWJ-BAN031)が発売されています。
デジモンアドベンチャー02タッグテイマーズ (SWJ-BAN032): アニメ『デジモンアドベンチャー02』を題材にしたこのゲームも、『ポケットデジモンワールド』との連携に対応していました。
デジモンアドベンチャー02ディーワンテイマーズ (SWJ-BANC03): こちらもデジモン関連タイトルで、前述の『ポケットデジモンワールド』と連携が可能でした。
SDガンダム英雄伝 騎士伝説 (SWJ-BANC0A): 『SDガンダム英雄伝』シリーズの一作で、PlayStation用ソフト『SDガンダム英雄伝～大決戦!!騎士VS武者～』との連携機能を持っていました。
SDガンダム英雄伝 武者伝説 (SWJ-BANC0B): 同じく『SDガンダム英雄伝』シリーズの作品で、『SDガンダム英雄伝～大決戦!!騎士VS武者～』との間でデータ連携が行えました。

これらの対応ソフトウェアを通じて、ワンダーウェーブはプレイヤーに携帯機と据え置き機の間でゲームの世界を共有し、連携ならではの特別な要素を体験する機会を提供しました。当時としては先進的な試みであり、ゲーム機の周辺機器による遊び方の拡張という点で特徴的な存在でした。

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