ワンダープロジェクトJ2 コルロの森のジョゼット

『ワンダープロジェクトJ2 コルロの森のジョゼット』：自由度の高い育成シミュレーションゲーム

1996年11月22日、エニックス（現スクウェア・エニックス）よりNINTENDO64用ソフトとして発売された『ワンダープロジェクトJ2 コルロの森のジョゼット』は、前作『ワンダープロジェクトJ 機械の少年ピーノ』に続く育成シミュレーションゲームです。

本作では、プレイヤーは鳥型のインターフェースロボット「バード」を操作し、世間知らずの少女型ギジン「ジョゼット」を育成します。前作とは異なり、道具の使い方を覚えるだけでなく、ブルーランドでの生活を通してジョゼットの性格や行動を変化させていく点が大きな特徴です。

独自の育成システムと高い自由度

ジョゼットの性格は、「積極性」「友好的」「消極性」「反抗的」といった要素で構成され、数値化されない内部パラメーターとして表現されています。プレイヤーはジョゼットとの会話を通して、彼女の性格の変化を感じ取ることができます。これは、前作でコミュニケーションアドベンチャーゲーム的な要素が強調された結果、育成シミュレーションゲームとしての側面が薄れてしまった点を反省し、現実の人間関係における複雑さを反映した試みと言えるでしょう。

前作が一本道だったのに対し、本作は高い自由度が魅力です。ジョゼットと共に映画館に行ったり、アルバイトをしたり、潜水艦「ドルフィン号」の操縦を学んだりなど、様々な体験を通じてジョゼットは成長していきます。これらの経験は「実積率」として数値化され、ゲームの進行に影響を与えます。

さらに、本作は世界初の「人工人格」を搭載し、ジョゼットは単なる反応マシーンではなく、自ら思考し、プレイヤーに話しかけてきます。プレイヤーの行動によって、ジョゼットの反応は大きく変化するため、何度プレイしても新鮮な体験が可能です。

ストーリーと登場人物

物語は、ギジン創造の第一人者であるジェペット博士によって作られた最新型のギジン、ジョゼットが、博士の遺言によりブルーランドで暮らすことから始まります。プレイヤーは、バードを通してジョゼットを導き、彼女が人間社会で生きていくためのサポートをします。

主要な登場人物は以下の通りです。

ジョゼット: 純粋で明るい反面、わがままな一面も持つギジンの少女。赤い洗濯ばさみの髪留めが特徴。人工知能AI以上の「人工人格」を持っており、プレイヤーとの関わり方によって性格が大きく変化します。
バード: ジョゼットの教育係である鳥型インターフェースロボット。プレイヤーはバードを操作してジョゼットと交流します。
プレイヤー: 本作をプレイしているあなた自身。前作の主人公ピーノを導いた人物でもあります。
ジェペット・ラマルク: ギジンを創造した博士。物語の冒頭で亡くなりますが、彼の遺言が物語の出発点となります。
ポッコ（ピーノ・コルロ）: コルロ島の最後の王族。前作の主人公ピーノが人間に転生した姿です。
アーノルド: ブルーランドに住む少年。シリコニアン帝国の総督であるという秘密を抱えています。
ガロン・オネスト: ブルーランド革命団のリーダー。
パール・エレガン: ブルーランド市長の娘。アーノルドに片思いしていますが、嫉妬深い性格です。
カレン・オネスト: メガフロート・ノアにある居酒屋の女将。ジェペット博士とは古くからの知り合いです。
サファイア・オネスト: ガロンとカレンの娘。ヤマネコ団に憧れています。
ガンテ・ワーカー: 深海船の修理工。ギジン工学の専門家です。
クララ: ブルーランドの森に住む盲目の少女。植物の声を聞くことができます。
シリコニアン13世（メデューサ・シリコニアン）: シリコニアン帝国の女帝。冷酷な性格で、ジョゼットの持つ力「回路J」を狙っています。
メッサラ: コルロ島の宰相だった邪悪なギジン。
フラーケン: シリコニアン帝国の科学者。
ハーベン大佐: シリコニアン帝国親衛隊長。
* ファム・ウィザード: コルロ島の守護者で、「Jの目」の代弁者。

その他

本作は前作を進化させたゲーム性と魅力的なキャラクター、そしてNINTENDO64の高性能を生かしたグラフィックで高い評価を受けました。しかし、売り上げは期待を下回ったと言われています。その原因として、テレビCMの影響でギャルゲーと誤解されたという説も存在します。

関連商品としては、攻略本、コミックス、サウンドトラックなどが発売されています。

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