ワーズギア

ワーズギア（Words Gear）は、2006年に松下電器産業（現パナソニック）が発売した電子書籍端末です。この端末は、2004年2月に発売されたシグマブック（ΣBook）の後継機種として位置づけられています。

開発と発表

ワーズギアは、2006年10月3日から10月7日にかけて幕張メッセで開催されたCEATEC JAPAN 2006で参考展示されました。その後、同年12月20日に発売が正式に発表され、市場に投入されることとなりました。

ディスプレイとコンテンツ配信

ワーズギアのディスプレイには、5.6インチのカラーTFT液晶が採用されており、解像度は1024×600ドット（211ppi）でした。これにより、比較的鮮明な表示が可能となっていました。電子書籍コンテンツは、「最強☆読書生活」という専用サイトを通じて配信され、ユーザーはWindows PCからこのサイトにアクセスし、SDメモリーカードにコンテンツを転送して、ワーズギアで読むという方式を採用していました。著作権保護機能として、SD-ePublishに対応していました。また、ファームウェアのアップデートによって、「XMDF」、「.book」、「txt」形式のファイルもサポートされるようになりました。これにより、多様な電子書籍フォーマットに対応することが可能となりました。

市場と終焉

ワーズギアは、2008年3月に生産が終了しました。当初、初年度の出荷台数は1万台を見込んでいましたが、実際には約2400台しか販売されず、市場での成功を収めることはできませんでした。同時に、PC向けの電子書籍配信サービスである「ΣBookJp」および「最強☆読書生活（PC版）」も、同年9月30日にサービスを終了することが発表されました。これにより、ワーズギアとその関連サービスは、短い期間でその役割を終えることとなりました。

関連端末

電子書籍端末黎明期には、ワーズギア以外にも様々な端末が市場に登場しました。

LIBRIe: 2004年にソニーから発売された電子書籍端末です。
GALAPAGOS: 2010年にシャープから発売された電子書籍端末で、後の電子書籍市場を牽引するモデルの一つとなりました。

ワーズギアは、電子書籍端末市場の黎明期に登場し、その後の市場動向に影響を与えた端末の一つと言えるでしょう。しかし、市場での販売は期待を下回り、短期間での生産終了となりました。それでも、その技術やコンセプトは、後の電子書籍端末の発展に繋がる重要な一歩となりました。

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