ワードマシン

ワードマシンについて

ワードマシン、またはワード指向マシンとは、コンピュータのデータをワードという単位で扱うタイプのコンピュータです。このワードは一般的に12ビット、16ビット、36ビットなどの大きな単位を基準にしており、これによりワード単位の演算が得意です。メモリのアドレス付けにおいても、従来のようなバイト単位ではなく、ワード単位のアドレッシングが特徴的です。

従来のコンピュータとの違い

1960年代に入るまでは、主に科学技術計算に使われるコンピュータは多くがワードマシンでしたが、その後の時代、とくにIBMのSystem/360シリーズが登場するまでは、バイトマシンが標準となりました。この過程で、ワードマシンの種類は減少しつつありましたが、特定の分野では今でも有用性が認識されています。

ワードマシンの種類

1. 黎明期のコンピュータ

初期のワードマシンとしては、EDSACなど多くのモデルが存在しました。これらはプログラム可能なコンピュータの先駆けとして重要な役割を果たしました。

2. メインフレーム

メインフレームの分野では、以下のコンピュータが代表的です。

• - NEC ACOS-6シリーズ: 36ビットのシステム。
• - Bull NovaScale 9000シリーズ: OSはGCOSで、こちらも36ビットをワードとして利用。
• - ユニシス ClearPath Plus Server: 2200/IX系列はOS2200を使用し、同様に36ビットをワードとして定義。

3. ミニコンピュータ

ミニコンピュータにもワード指向のものが多々あり、いくつかの有名なモデルがあります。

• - MSシリーズ：多くのバリエーションを含む。
• - DEC PDP-8：当時のベストセラーとして名を馳せた。
• - IBM 1130やIBM 1800：これらも多くの業界で利用された。

4. マイクロプロセッサ

マイクロプロセッサ市場でもワードマシンが見られます。

• - パナファコム L-16A (MN1610)：16ビットプロセッサ。

5. その他

情報処理技術者試験で取り上げられる架空のコンピュータには、COMETという16ビットワードマシンが存在します。

まとめ

ワードマシンは、特に科学技術計算において重要な役割を果たしました。その独自のワード単位での処理がもたらした利点は、今日のコンピュータ技術の基礎となっています。これに対して、字単位での処理が得意なコンピュータをキャラクタマシンと呼ぶことができ、今後も異なるアプローチで計算を行うコンピュータが進化していくことが期待されます。

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