ユニシス

ユニシス（Unisys Corporation）

ユニシスはアメリカに本社を持つ国際的なITサービス企業であり、その歴史は1986年に始まります。この企業は、元アメリカ合衆国財務長官が関与した合併によって設立され、当時のコンピュータ業界において重要な位置を占めました。現在のユニシスは、ITサービスやソリューションの提供に加え、ハードウェアの設計や製造なども行っています。

経営の歴史と変遷

1986年9月、マイケル・ブルーメンソールのもと、メインフレームメーカーのスペリーとバロースが合併し、ユニシスが誕生しました。合併当時、ユニシスは年間売上高105億ドルに達し、IBMに次ぐ世界第2位のコンピュータ企業となりました。ユニシスは、米国政府との契約も含め、様々な分野においてシステムやサービスを提供し続けています。

合併後の1990年代には、オープンシステムの波と共に企業構造の大規模な改革が行われ、メインフレームから抜け出す道を模索しました。結果的にUNIXやWindows NTを基盤とするコンピュータ市場に参入しました。この転換期が企業の方向性を大きく変えることになりました。1997年には、売上に占めるサービスの比率が65%となり、2006年には83%に達しました。これにより、ユニシスはハードウェアからサービス主体へとシフトしました。

製品やサービスの多様性

ユニシスが提供するサービスには、ITコンサルティング、アウトソーシング、システム構築、ホスティング、データ管理などが含まれます。2000年には、インテルのXeonおよびItaniumを使用したミッドレンジからハイエンドサーバのUnisys ES7000シリーズを開発しています。このシリーズはMicrosoft Windows ServerやLinux環境での運用が可能です。

また、ユニシスはClearPathというシリーズのメインフレームを展開しており、多様なアプリケーションに対応しています。ClearPathは、Javaプラットフォームとしても機能し、さまざまな業界に広がりを見せています。具体的には、銀行業務や航空機予約、生体認証、気象データ分析などに活用されています。特にアメリカ国立気象局の気象レーダーシステムを運用し、気象データの提供を行っています。

重要な顧客と市場の影響

ユニシスは、多数の大企業や政府機関にサービスを提供しています。代表的な顧客にはワシントン・ミューチュアルやアメリカ軍のさまざまな部門、連邦航空局（FAA）などがあります。これにより、ユニシスは国内外での影響力を高めています。

顧客サポートとデータセンター

ユニシスは、世界各地にデータセンターを運営しており、その運用においてはISO 9001などの国際基準に準拠したサポートを提供しています。顧客の施設内でもデータセンターの運営やサポートを行い、サービス品質の向上に努めています。

論争と批評

ユニシスはその歴史の中でさまざまな論争に巻き込まれてきました。特にLZWアルゴリズムに関するライセンス問題や、ロビイストとの関係、長時間残業の報告などが話題となっています。これらの問題は、企業の信頼性に影響を与えかねない要素として注意を要します。特にLZWアルゴリズム問題により、PNGフォーマットの普及が進んだことも挙げられます。

ユニシスは、今後も変化し続けるIT市場に対応し、より良い技術提供を目指し続けるでしょう。

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