ワーナー・ブラザース・スタジオ

ワーナー・ブラザース・スタジオ・バーバンク：ハリウッドの歴史を刻む一大撮影所

カリフォルニア州バーバンクに位置するワーナー・ブラザース・スタジオ・バーバンクは、世界的に有名な映画製作スタジオです。1926年、ファースト・ナショナル・ピクチャーズの事業拡大に伴い、62エーカー（約25ヘクタール）の広大な敷地に建設されました。設立当初から数々の名作を生み出し、ハリウッドの歴史に深く関わってきたこのスタジオは、現在も映画やテレビ番組制作の中心地として重要な役割を果たしています。

輝かしい歴史：サウンドステージから巨大セットまで

初期の成功作『ジャズ・シンガー』や『シンギング・フール』を皮切りに、ワーナー・ブラザースはファースト・ナショナル・ピクチャーズの株式を取得、バーバンクスタジオを主要拠点としました。4つのサウンドステージを擁するこのスタジオは、時代を彩る数々の映画制作の中枢となりました。1930年代には、サンセット・ブルバードにあったスタジオと併用されていましたが、バーバンクスタジオの大規模な火災により、再びサンセット・ブルバードのスタジオが主要拠点として利用される時期もありました。

その後、バーバンクスタジオは規模を拡大し、特に1937年に建設されたステージ16（旧ステージ7）は、高さ98フィート、200万ガロンの水槽を備えた世界最大級のサウンドステージとなり、『グーニーズ』『パーフェクトストーム』『ダンケルク』など、多くの作品で印象的なシーンを撮影するために使用されました。また、ミュージカル映画『ラ・ラ・ランド』では、ライアン・ゴズリングとエマ・ストーンが歩くシーンにも登場しています。

スタジオのバックロットには、多種多様なセットが設置されています。1930年に建設されたニューヨーク・ストリートは、『四十二番街』『ブレードランナー』『ダークナイト』などの映画や、人気テレビシリーズ『フレンズ』で使用され、街並みの再現に貢献しました。その他、ヘネシー・ストリート、ミッドウェスト・ストリート、ジャングルセットなど、時代やジャンルを問わず多くの作品を支える重要な撮影セットが数多く存在します。これらのセットは、『マイ・フェア・レディ』『アニー』『スパイダーマン』といった有名作品にも使用され、それぞれの映画の世界観を構築する上で欠かせない役割を果たしてきました。

1955年のワーナー・ブラザース・テレビジョンの設立以降は、テレビ番組制作も盛んになり、いくつかのステージはより小さなスタジオに分割されるなど、スタジオの機能も進化を遂げました。1957年に建設されたララミー・ストリートのセットは、西部劇やテレビシリーズの定番セットとして、多くの作品を彩りました。さらに、近年では『チャーリー・シーンのハーパー★ボーイズ』や『ビッグバン★セオリー/ギークなボクらの恋愛法則|ビッグバン★セオリー_ギークなボクらの恋愛法則』で使用された住宅街「ワーナー・ビレッジ」も完成し、現代的な作品にも対応できる多様なセットが整備されました。

コロンビア・ピクチャーズとの連携と独立

1972年には、コロンビア・ピクチャーズとの合弁事業により「バーバンク・スタジオ」が設立されました。この合弁事業は1990年まで続き、多くのテレビシリーズの制作拠点となりました。多くの作品は、エンドクレジットに「Filmed at The Burbank Studios」と記載され、このスタジオが多くの作品制作に貢献したことを物語っています。しかし、1990年に合弁事業が解消され、スタジオはワーナー・ブラザースの単独運営に戻りました。

文化的影響：ピンク・フロイドのアルバムジャケットからスタジオツアーまで

イギリスのロックバンド、ピンク・フロイドのアルバム『炎〜あなたがここにいてほしい』のジャケット写真は、このスタジオの道路で撮影されました。これは、このスタジオが単なる撮影所ではなく、大衆文化に広く影響を与えていることを示しています。

1973年には一般向けスタジオツアーも開始され、世界中から多くの観光客が訪れています。また、1996年にはワーナー・ブラザース・ミュージアムもオープンし、映画史を語る上で重要な存在となっています。

ワーナー・ブラザース・スタジオ・バーバンクは、ハリウッドの歴史と発展を象徴する存在であり、今後も映画やテレビ業界の中心として、数々の名作を生み出し続けることでしょう。

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