ワールド (企業)

株式会社ワールドについて

株式会社ワールド（WORLD CO., LTD.）は、日本の大手アパレルメーカーで、兵庫県神戸市中央区と東京都港区北青山に本社を構えています。東京証券取引所のプライム市場に上場しているこの企業は、1959年に創立され、以来、ファッション業界で確固たる地位を築いてきました。特に多ブランド戦略を展開し、さまざまなターゲットに向けた商品を提供しています。

創業からの歩み

株式会社ワールドの歴史は1959年に遡ります。当初、神戸市の光商会に勤務していた木口衛と畑崎廣敏が独立し、アパレル業界に新たな風を吹き込む形で設立されました。創業当初は卸売事業を中心としながらも、自社ブランドの開発に力を入れ、日本初のトータルコーディネートブランドを誕生させました。これにより、ワールドはファッションビジネスの総合アパレルメーカーへと成長していきました。

神戸のポートアイランドに本社ビルを建設し、地域の発展に寄与するための活動も行いました。例えば、地元の多目的ホール「ワールド記念ホール」の設立や、震災時の支援活動など、地域とのつながりを重視してきました。

SPA業態の導入と市場展開

1990年代に入ると、ワールドは従来の卸事業から脱却し、SPA（製造小売業）モデルを導入しました。この戦略により、異なるブランドを展開することが可能となり、全国に店舗を拡大。1993年には初のSPAブランドとなる「OZOC」が誕生し、小売業への進出を本格化させました。この多ブランド戦略は、他のアパレルメーカーとは一線を画す点として、業界内でも注目されるほどの成功を収めました。

組織の変革と上場廃止

2005年、経済環境の変化に伴い、代表取締役社長の寺井秀蔵の下、経営陣による自社株購入（MBO）が実施されました。この決定により、ワールドは一時的に上場廃止となりましたが、自社の経営の安定を図るための重要な施策であったと言えます。

リストラと再構築の過程

2000年代からは、外部環境の影響で業績が低迷し始めました。特に、2015年には新たに就任した代表取締役社長上山健二がリストラを断行。全国の店舗約2800店の中から400店舗を閉鎖、また15のブランドを廃止するなどの厳しい経営再構築を行いました。

しかし、2020年の新型コロナウイルス感染症の影響も受け、さらなる店舗閉鎖やブランド撤退を余儀なくされました。このような厳しい状況の中でも企業としての立て直しを図り、2022年に入ってからは一部業績が改善傾向にあることが報告されています。

現在の展望

業界での競争が激化する中で、ワールドは新たなビジネスモデルの模索やデジタル化の推進などを進めています。また、ブランド多様化を図りながら、ターゲット層のニーズに応える商品展開を行っています。2023年には国内外でのビジネス拡大を目指し、自社の強みを活かした新たな戦略を推進中です。これからの展開にも注目が集まる企業と言えます。

まとめ

株式会社ワールドは、約60年の歴史を持つアパレル企業であり、地元神戸に根ざしながらも、国内外での活動を積極的に展開しています。多ブランド戦略を推進し、大きな転機を経てもなお、ファッション業界での存在感を発揮し続けているこの企業の動向に、今後も目が離せません。

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