ワールド ワールド ワールド

『ワールド ワールド ワールド』は、ASIAN KUNG-FU GENERATION（アジカン）が2008年3月5日にリリースした4枚目のフルアルバムです。

前作『フィードバックファイル』から約1年5ヶ月ぶり、フルアルバムとしては『ファンクラブ』以来約2年ぶりの作品で、初回限定版はワールドスリーブケース仕様、通常版に加え、アナログ盤も発売されました。歌詞カードには全曲の英訳が付属しています。

2007年はアルバム制作に重点が置かれ、後藤正文の日記には新曲の構成やレコーディングに関する記述が目立ちます。一方で、夏フェスにも積極的に参加し、アルバム発売前にライブで演奏された曲も多数存在しました。また、本作ではギターの喜多建介のコーラスが全面的に採用されています。

アルバムには、「NANO-MUGEN COMPILATION.2006」に収録されていた「十二進法の夕景」は収録されていませんが、カップリング曲であった「鵠沼サーフ」「由比ヶ浜カイト」「江ノ島エスカー」は、同年のアルバム『サーフ ブンガク カマクラ』に収録されています。

ジャケットには、同時多発テロで破壊されたワールドトレードセンターを彷彿とさせる絵が描かれており、アルバムの象徴となっています。

ちなみに、アジカンのアルバムタイトルには「ファ」が付くという指摘がありましたが、本作でそのジンクスは途絶えました。

収録曲について

1. ワールド ワールド ワールド
アジカンの楽曲の中で最も短い曲の一つで、インスト曲ではありません。「Tour 酔杯2007 Project Beef」のオープニングセッションが基になっており、メンバー全員がコーラスに参加。MVも制作されています。

2. 旅立つ君へ
アウトロが次曲に繋がる構成となっています。

3. ネオテニー
タイトルは「幼形成熟」を意味し、イントロが前曲と繋がっています。

4. トラベログ
タイトルは「旅行記」の意味。2005年のNANO-MUGEN FES.で演奏された「Re:Re:」〜「N.G.S」の曲間セッションをアレンジしたものが使用されています。

5. No.9
歌詞に登場する「パトリオット」は「愛国者」の意味で、沖縄県の平和祈念公園にある「平和の礎」から見た海の景色が描かれています。

6. ナイトダイビング
ギターの喜多建介が一部メインボーカルを担当しています。

7. ライカ
タイトルは、スプートニク2号で宇宙に行った犬「ライカ」に由来します。

8. ワールド ワールド
後藤正文による弾き語り曲で、アジカンとしては初の試み。後半には次曲「或る街の群青」に繋がる街の雑踏音が収録されています。

9. 新しい世界
中澤一登によるアニメーションMVが存在。最後のEメジャーコードはThe Beatlesの「A Day in the Life」からの引用であり、コンセプトアルバムとしてThe Beatlesの『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』を意識した部分です。

メンバー

後藤正文：ボーカル、ギター、ピアノ
喜多建介：ギター、ボーカル
山田貴洋：ベース、ボーカル
伊地知潔：ドラムス

『ワールド ワールド ワールド』は、アジカンの音楽性をさらに進化させ、新たな境地を開いた作品として、ファンから高く評価されています。

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