ワールドスタジアムEX

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『ワールドスタジアムEX』は、1997年にナムコ（現在のバンダイナムコエンターテインメント）がPlayStation向けに発売した野球ゲームです。長年親しまれてきた『ファミスタ』や『ワースタ』シリーズの流れを汲む作品でありながら、PlayStationでの展開にあたり、グラフィックやシステム面で多くの新要素が導入されました。ナムコにとって、これが初のPlayStation向け野球ゲームとなります。

グラフィック面では、これまでのシリーズが主に2Dだったのに対し、本作では球場全体がフルポリゴンで描かれるようになり、ホームラン時やリプレイなどで多様なカメラアングルが用いられています。シリーズ初のオープニングムービーも収録。キャラクターは従来の3頭身から4頭身に変更され、これにより約6.5倍とされる滑らかな動きを実現しています。

ゲームシステムも変更が加えられています。特に投球は、従来のリアルタイム操作による変化球から、投球前に球種を選択する方式へ。フォークボールも「急落する球」ではなく「急速に減速する球」となり、タイミングが合えば打てる可能性も生まれました。ただし、この投球システムは『ワールドスタジアム2』以降でファミスタ式に戻ったため、本作固有のシステムとなっています。

BGMは100種類以上から選択可能。「コミカル」を選ぶと、『オーダイン』や『ドラゴンセイバー』などナムコ往年の名作BGMが楽しめます。

新要素「分身くん」では、オリジナル選手を作成し、ミニゲーム形式の入団テスト成績に応じて能力が決定されます（打力、走力、守備力、投球など）。このシステムは後のシリーズでも人気となりました。

ナムコ製の特殊コントローラー「ネジコン」にも対応。ねじりやボタンの押し込み深さで、打撃方向や投球の緩急を操作できるユニークな操作感を提供しました。

登場チームは、セ・パ12球団に加え、個性的なスペシャルチームが登場します。チーム名や選手名は実名ですが、球場名は架空の名称です（『WS4』以降は実名化）。

スペシャルチーム:

ナムコスターズ: ナムコキャラで構成され、本作唯一の3頭身グラフィック。
ワールドスターズ: 歴史上の英雄チームで、高い能力を持つ。
メカニカルロボッツ: ロボットチーム。特に守備が堅い。
草野球エラーズ: 能力が非常に低いコミカルなチーム。
* メリケンウォーリヤーズ: メジャーリーガーと思われる選手で構成。

スペシャルチームのホーム球場は『ゼビウス』モチーフの「ゼビウススタジアム」などが用意されています。

本作の後、PSで5作まで続いたシリーズでは、『WS2』での選手ポリゴン化、『WS3』でのポケステ連携、『WS4』でのカスタマイズ機能や球場実名化など進化を続けました。PlayStationでの『ワールドスタジアム』シリーズ展開は『WS5』で終了し、以降は『熱チュー!プロ野球』といったリアル系シリーズへと引き継がれます。

『ワールドスタジアムEX』は、PlayStationの性能を活かした革新的なグラフィック表現、独自のゲームシステム、そして「分身くん」をはじめとする新要素を取り入れた意欲作であり、シリーズの新たな方向性を示した重要なタイトルです。

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