ワールドラグビーアワード

ワールドラグビーアワード

ワールドラグビーアワード（World Rugby Awards）は、ラグビーの世界的な統括団体であるワールドラグビーが、毎年その年に最も優れた功績を残した選手、チーム、指導者、そしてラグビー界の発展に貢献した関係者を表彰するために開催している、ラグビー界で最も権威あるイベントの一つです。この賞は2001年に創設され、例年11月下旬に盛大に発表・授与式が行われます。

概要と選考

このアワードの受賞者は、主にワールドラグビーが任命した専門家からなる審査員パネルによって選ばれます。また、国際ラグビー選手会（IRPA: International Rugby Players' Association）が選考に深く関わる部門も複数存在し、特に「トライ・オブ・ザ・イヤー」のように、ラグビーファンからの投票が結果に大きく影響する人気部門もあります。

アワードの部門構成は年によって見直しが行われますが、多くの主要部門は継続して設けられています。2024年のアワードでは、合計14部門が設けられています。過去に存在したワールドラグビー最優秀レフリー賞や功労賞（バーノン・ピュー賞）は2023年をもって廃止されましたが、新たに男子・女子セブンズのドリームチーム・オブ・ザ・イヤーが新設され、セブンズ部門にはHSBCホールディングスが特別協賛しています。

部門の中には、事前に候補者が複数発表され、その中から最終的な受賞者が選ばれるもの（2024年は8部門）と、授賞式当日に審査員によって決定された受賞者が発表されるもの（2024年は6部門）があります。

ラグビー界の栄誉を称える別の取り組みとして「ワールドラグビー殿堂」がありますが、これはワールドラグビーアワードとは異なる独立した顕彰制度です。

主な部門の歴史

ワールドラグビーアワードは2001年に「IRBアワード」として始まり、当初から主要な部門として「年間最優秀選手賞」「年間最優秀チーム賞」「年間最優秀監督賞」などが設定されていました。初回となる2001年には、アイルランドのキース・ウッドが年間最優秀選手に、オーストラリアが年間最優秀チームに、同じくオーストラリアのロッド・マックイーンが年間最優秀監督に選ばれています。その後、「年間最優秀新人賞」「セブンズ年間最優秀選手賞」「女子年間最優秀選手賞」など、時代の変化やラグビーの多様化に合わせて部門が追加・変更されてきました。

国際ラグビー選手会が選考する「トライ・オブ・ザ・イヤー」は、年間で最も優れたトライに贈られる賞として、常に注目を集めています。また、ラグビーの価値観であるインテグリティ、情熱、結束、規律、尊重を体現した個人や団体に贈られる「ラグビー・スピリット・アワード」なども重要な部門として位置づけられています。

功労賞（バーノン・ピュー賞）は、ワールドラグビーの前身である国際ラグビー評議会（IRB）の元会長にちなんで名付けられ、長年にわたりラグビー界に顕著な功績があった人物に贈られていましたが、この賞も2023年で終了となりました。

ワールドラグビーアワードは、その年のラグビー界を象徴する選手やチーム、そして舞台裏で貢献した人々が一堂に会し、その功績を称え合う、ラグビーコミュニティにとって非常に重要なイベントとなっています。歴代イベントとなっています。多くのラグビーファンが、年間最優秀選手の発表などを楽しみにしています。

主な歴代受賞者

2001年の初開催以来、多くの伝説的なプレイヤーやチームがこの栄誉に輝いています。例えば、リッチー・マコウ（ニュージーランド）は年間最優秀選手賞を複数回受賞しており、ダン・カーター（ニュージーランド）やジョニー・ウィルキンソン（イングランド）、アントワーヌ・デュポン（フランス）、ピーターステフ・デュトイ（南アフリカ）などもこの賞を受賞しています。チームとしては、ニュージーランド代表「オールブラックス」が年間最優秀チーム賞を最も多く受賞しています。

ワールドラグビーアワードは、ラグビーというスポーツが世界中でどのように進化し、どのような才能が台頭しているのかを知る上で、重要な指標となっています。

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