ワールドラグビーパシフィックチャレンジ2024

ワールドラグビーパシフィックチャレンジ2024は、ラグビーの若手選手育成に特化した国際大会として、2024年4月10日から20日までの期間、サモアの首都アピアで開催されました。この大会は、将来的にA代表での活躍が期待されるタレントの発掘と強化を目的としており、ワールドラグビーおよびオセアニアラグビーの共催によって運営されています。

参加したのは、ホスト国であるサモア（MANUMA SAMOA）をはじめ、フィジー（FIJI WARRIORS）、トンガ（TONGA A）、そして日本（JAPAN XV）の計4カ国のチームです。これらのチームは、それぞれが若手有望株を中心とした編成で、この地域におけるラグビーのレベル向上を目指し、熱戦を繰り広げました。

チーム編成と選手育成

今大会の特徴の一つは、その選手構成のルール変更です。従来の純粋なU23大会から見直され、各チームは28名の選手団のうち、大会初日時点で23歳以下の選手を23名、そして18歳以上の選手を5名含めることが可能となりました。この18歳以上の枠には、シニア経験を持つ選手も登録できることから、若手選手が経験豊富な選手と共にプレーし、学ぶ機会を提供することが意図されています。

参加選手の育成は、大会期間中に留まりません。特にサモア、フィジー、トンガの参加チームから選ばれた優秀な選手25名は、「パシフィック・コンバイン」と呼ばれる特別なプログラムに参加する権利を得ます。これはワールドラグビーが資金提供する1週間の集中育成プログラムで、2018年から実施されており、太平洋諸島地域におけるハイレベルな選手の育成に大きく貢献しています。

日本からは、「JAPAN XV」としてチームが編成されました。このチームは、主にU20日本代表のメンバーに、21歳の選手が3名加わった構成となっており、U20日本代表のヘッドコーチである大久保直弥氏が指揮を執り、太安善明選手がキャプテンを務めました。日本の若手選手にとっては、国際的な舞台で経験を積む貴重な機会となりました。

大会形式と順位決定

大会は、参加4チームによる総当たり戦で行われました。各チームが他の全てのチームと一度ずつ対戦し、その結果に応じて付与される勝ち点によって最終順位が決定されます。勝ち点のルールは以下の通りです。

勝利：4点
引き分け：2点
敗戦：0点

これに加え、ボーナスポイントが存在します。

7点差以内の敗戦：ボーナスポイント1点
* 4トライ以上を獲得：ボーナスポイント1点

これらの勝ち点とボーナスポイントの合計で順位が決定されますが、勝ち点が並んだ場合は、得失点差などの大会規定に基づき最終順位が確定されます。

観戦機会と情報参照

日本国内においては、JAPAN XVが出場する試合が、日本ラグビーフットボール協会の特設ウェブサイトを通じて無料ライブ配信されました。これにより、日本のラグビーファンはサモアで行われる試合をリアルタイムで応援することができました。

各チームの選手情報については、主にワールドラグビーの大会公式ページで詳細が確認できます。サモア、フィジー、トンガの各ラグビー協会の公式サイトでは、大会開催時点での選手情報が必ずしも網羅されていない状況も見られました。日本ラグビーフットボール協会のサイトでは、日本戦における登録メンバーの名前がリスト化されていますが、詳細な選手データは限られています。

ワールドラグビーパシフィックチャレンジは、パシフィック諸国および日本の若手選手たちが国際レベルでの経験を積み、将来の代表チームへと繋がる重要なステップとなる大会です。参加選手たちがこの舞台で得た経験は、彼らのラグビーキャリアにおいて大きな財産となることでしょう。

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