ワールド・アカデミー・オブ・サイエンス・エンジニアリング・アンド・テクノロジー

ワールド・アカデミー・オブ・サイエンス・エンジニアリング・アンド・テクノロジー（WASET）について

ワールド・アカデミー・オブ・サイエンス・エンジニアリング・アンド・テクノロジー（WASET）は、多様な科学及び技術分野に関するオープンアクセスジャーナルを数多く発行する組織です。この組織はトルコに本拠を構えており、科学界における捕食出版の一例として知られています。WASETは毎年数千の学会議を計画していると主張しており、そのスケジュールは一般的に12年先まで続けられるとされています。

会議の開催とその批判

WASETが主催する会議の名称は、著名な科学団体による会議の名前と非常に似ていることがあります。また、時には数百の会議が同日に同じ場所で行われることもあるため、このような運営方式が会議の質に悪影響を及ぼすのではないかとの懸念が存在します。例えば、2016年にはベルリンで313の会議が開催されたというケースがあります。

ジャーナルの質と評価

WASETの発行するジャーナルは、国内外の研究者に向けて多くの論文を受け付けていますが、中には「捕食」、つまり質の低い学術出版に含まれるものもあります。著名な批評家であるジェフリー・ビールは、WASETを「可能性がある、有力な、確からしい捕食出版社」として評価し、また捕食会議を企画する組織のリストにも名前が挙がっています。実際に、WASETはおとり捜査で偽の論文を受理したという具体例も存在します。

運営陣とその背景

WASETは元科学教師のCemal Ardilが運営しており、彼の娘Ebruと息子Boraもその活動に参加しています。Cemal Ardilは、WASETのウェブサイト上で最も論文を発表している人物であり、彼の存在はWASETの活動において重要な役割を果たしています。

国内外での動向

このように、WASETは科学界において物議を醸す存在となっており、オープンアクセスの利点と捕食出版のリスクが同居しています。そのため、研究者たちはWASETのジャーナルや会議に参加する際、慎重な判断が求められます。今後もWASETがどのように発展していくのか、特にその質や信頼性に関する議論が続くことが予想されます。

もう一度検索