ワールド・デジタル・ライブラリー

ワールド・デジタル・ライブラリーについて

概要

ワールド・デジタル・ライブラリー（World Digital Library、WDL）は、UNESCOおよびアメリカ議会図書館により設立された国際的な電子図書館です。その主な目的は、インターネット上で様々な文化的コンテンツへのアクセスを向上させ、異なる文化間の理解を深めることにあります。特に、教育者や学生、一般の人々が利用できるリソースを提供し、国家間や国内の情報格差を縮めることを目指しています。WDLは、無料で多言語のコンテンツを提供し、手稿や地図、古書、楽譜、録音など、世界の文化に関する貴重な一次資料を収集しています。

歴史の背景

ワールド・デジタル・ライブラリーは、2009年4月にサービスを開始しましたが、その運営に向けての動きは前の数年間に遡ります。アメリカは約20年にわたりUNESCOから脱退していましたが、2003年に再加盟しました。2005年には、アメリカ議会図書館の館長であるジェームズ・H・ビリントンが、UNESCO委員会の委員長に選ばれ、そこで「図書館や博物館が守ってきたコレクションを無料で、アクセスしやすい形式で世界に公開する」というビジョンを示しました。これがWDLの始まりです。

その後、Googleが2005年に300万ドルを寄付し、早くもパートナーとして参加しました。2006年には45ヵ国の国立図書館の館長や技術担当者が集まり、ワールド・デジタル・ライブラリーの開発に向けた詳細な話し合いを行いました。

コンテンツの特性

ワールド・デジタル・ライブラリーでは、数多くの文化や地域の資料が収蔵されています。例えば、日本の古典文学である『源氏物語』や、アステカ文明の文書、古代砂漠地域の数学文書、または古代中国の亀甲獣骨文字など、貴重で多様な資料が揃っています。これらの資料は、研究者や教育者、さらには一般の方々にもアクセス可能で、学問的な研究にも役立ちます。

さらに、WDLは、世界初の録音である「ラ・マルセイエーズ」や、リュミエール兄弟による初の映画など、文化的に意義深い作品も収濃しています。また、民俗や歴史の理解を深めるための資料や、国際的な歴史的背景を持つものも含まれます。

パートナーシップと展望

現在、ワールド・デジタル・ライブラリーには、多くの図書館や機関がパートナーとして参加しています。これは各国の文化資源を共有し、視覚的な学びを促進するのに役立ちます。コンテンツは、インターネットを介してアクセス可能であり、非英語圏や西洋文化以外の内容も強化され、異文化間の理解を促進するための手段とされています。

WDLの将来においては、さらなるパートナーシップの構築や資料の拡充が期待されます。それにより、ますます多くの文化的リソースが広く共有され、教育や研究に役立っていくことでしょう。国際的な情報ネットワークの中で、WDLは不可欠な役割を果たし続けると考えられます。

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