ヴァイオリン協奏曲第1番 (モーツァルト)

ヴァイオリン協奏曲第1番 変ロ長調 K. 207

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトが1773年頃に作曲したヴァイオリン協奏曲第1番 変ロ長調 K. 207は、モーツァルトにとって最初のヴァイオリン協奏曲です。

概要

モーツァルトの全5曲あるヴァイオリン協奏曲の中で、最初に作曲されたのがこの作品です。かつては1775年4月14日にザルツブルクで完成したとされていましたが、近年の研究により、実際にはそれ以前の1773年頃に作曲されたことが判明しています。

他の4曲がフランス風のギャラント様式を多く取り入れているのに対し、この作品は対照的にオーストリア的な色彩が強く出ています。派手な技巧や効果は少ないものの、繊細で優美な表情と清らかな旋律が魅力となっています。

モーツァルトのヴァイオリン協奏曲は、かつては全8曲とされていましたが、後に偽作と判明した第6番、第7番、アデライード協奏曲を除くと、現在では全5曲とされています。これらの協奏曲の大部分は、モーツァルトが19歳だった1775年にザルツブルクで集中的に作曲されました。しかし、作曲の動機については未だに謎が多く、彼がその後ヴァイオリン協奏曲を作曲しなくなった理由も不明です。

楽器編成

ヴァイオリン独奏
オーボエ2
ホルン2
弦五部

構成

全3楽章で構成されており、演奏時間はおよそ23分です。全楽章がソナタ形式で構成されているのが特徴です。

第1楽章 アレグロ・モデラート (変ロ長調、4分の4拍子、協奏曲風ソナタ形式)
第2楽章 アダージョ (変ホ長調、4分の3拍子、ソナタ形式)
* 第3楽章 プレスト (変ロ長調、4分の2拍子、ソナタ形式)

外部リンク

ヴァイオリン協奏曲第1番 変ロ長調 K. 207の楽譜 - 国際楽譜ライブラリープロジェクト)

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