ヴァリアシオン (バレエ)

バレエ用語としてのヴァリアシオン（仏: Variation）は、ソロで踊る場面を指します。英語ではヴァリエーション（Variation）、フランス語ではパ・スル（Pas seul）とも呼ばれます。これは「一人で踊る」という意味を持ちます。

ヴァリアシオンは、男女問わずダンサーによって踊られます。多くの場合、パ・ド・ドゥのような場面において、ソリストが独りで踊る部分を指すことが多いです。このソロの踊りを通して、ダンサーは自身の技術や表現力を最大限に発揮します。

ヴァリアシオンという言葉は、フランス語で「変化」や「変形」を意味します。音楽用語としては「変奏曲」として知られており、バレエ用語としては、音楽における変奏のように、踊りの中で多様な表現を見せることから転用されました。

ヴァリアシオンは、個々のダンサーが自身の解釈や技能を表現できる重要な機会です。この点で、オペラにおけるアリアと同様の役割を果たします。オペラのアリアでは、歌手が歌を通して感情や個性を表現しますが、ヴァリアシオンでは、ダンサーが踊りを通して同様のことを行います。伝統的なバレエにおいては、オペラで歌手が同じ歌詞を歌い上げるように、全てのダンサーが同じ振付でヴァリアシオンを踊ります。

ヴァリアシオンは、バレエ作品の中でダンサーの技術と表現力を際立たせる不可欠な要素であり、観客にとっても見どころの一つとなっています。

参考文献：
川路明編著 『バレエ用語辞典』 東京堂出版、1980年。
デブラ・クレイン、ジュディス・マックレル 『オックスフォード バレエダンス事典』 鈴木晶監訳、赤尾雄人・海野敏・長野由紀訳、平凡社、2010年。ISBN 978-4-582-12522-1

外部リンク：
* ライブラリ_チャイコフスキー_眠りの森の美女3 バレエ音楽用語ガイド 2011年6月4日閲覧。

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