ヴァロワ＝オルレアン家

ヴァロワ＝オルレアン家の歴史

ヴァロワ＝オルレアン家は、フランス王家ヴァロワ家の支流であり、特に著名な王たちを輩出した家系です。この家の始まりは、ヴァロワ朝第3代のフランス王シャルル5世が1392年に成人した息子ルイにオルレアン公の爵位を授与した時にさかのぼります。

当時、オルレアン公位はすでにいったん消滅しており、前任者フィリップは1376年に嗣子なく亡くなったため、新たにルイがこの公位に就くこととなりました。ルイは、精神的に不安定だった兄シャルル6世の時代に、政治的な実権を握ろうとし、ヴァロワ＝ブルゴーニュ家のフィリップ豪胆公や無畏公との対立を深めましたが、この争いの中で無畏公に暗殺されてしまいます。

その後、オルレアン家とブルゴーニュ家の間で対立が激化し、特に百年戦争の後期にはフランス国内に大きな混乱をもたらしました。文学にも秀でたオルレアン公シャルルは1415年のアジャンクールの戦いで捕虜になり、イングランドで25年にわたって虜囚の生活を送ることになりました。

シャルルが帰国後、彼の息子ルイは、ルイ11世の娘ジャンヌと結婚します。ジャンヌの兄シャルル8世が死去したため、1498年にルイは王位を継承し、ルイ12世として即位しました。この王位継承は王女との結婚ではなく、サリカ法に基づいて行われました。ルイ12世は即位後、ジャンヌと離婚し、シャルル8世の未亡人アンヌ・ド・ブルターニュと再婚します。

ルイ12世は1514年にヘンリー8世の妹メアリー・テューダーとも結婚しましたが、この結婚からわずか3ヶ月後に病死してしまいます。ルイ12世の直系の子供は2人の娘だけだったため、彼は傍系にあたるアングレーム伯フランソワに長女クロードを嫁がせ、王位を継承させました。

フランソワ1世は、オルレアン公シャルルの弟ジャンから始まるヴァロワ＝アングレーム家の出身であり、彼自身の後は息子アンリ2世が王位を引き継ぎます。しかし、アンリ2世の子供たちは短命で即位したものの早くに亡くなり、その結果、ヴァロワ家の男子は絶えてしまいます。

ヴァロワ家の滅亡後はブルボン家が王位を継承しますが、実はブルボン家のアンリ4世は女系でヴァロワ＝オルレアン家の血を引いていました。さらに、彼の最初の王妃はアンリ2世の娘でしたが、子供を持たないまま離婚しています。

また、ヴァロワ家が与えてきたアングレーム公位は、シャルル9世の庶子によって再び世襲されましたが、最終的にはギーズ家に渡ることになります。こうした歴史を通じて、ヴァロワ＝オルレアン家はフランス王位に大きな影響を与えた存在であったと言えるでしょう。

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