ヴァンセンヌの森

ヴァンセンヌの森：パリ東部の緑豊かなオアシス

ヴァンセンヌの森（Bois de Vincennes）は、パリ中心部から東へ約4kmに位置する広大な森林公園です。パリ12区に属し、北側にはヴァンセンヌやサン＝マンデといった街が広がります。その面積は995ヘクタールに及び、パリ西部のブローニュの森よりも大きく、ロンドンのリッチモンド公園とほぼ同じ規模を誇ります。

歴史

この森は、元々ブルボン王家の狩猟場として利用されていました。しかし、フランス革命後には軍の演習場となり、その後1860年にナポレオン3世によって市民のための公園として生まれ変わりました。1929年にはパリ市12区に編入され、現在の姿に至っています。

見どころ

森の北側には、中世の王が好んで訪れたというヴァンセンヌ城がそびえ立ちます。また、南西には19世紀にルイ・フィリップ時代に建てられた砦があります。森の東側には、ヴァンセンヌ競馬場とヴァンセンヌ自転車競技場があり、スポーツを楽しむ人々の姿も見られます。

西側には、14.5ヘクタールの広さを誇るパリ動物園があります。ここでは、アジアゾウをはじめ、様々な動物たちを見ることができます。特に、ムフロンが生息する高さ65mの人工岩山は圧巻です。また、ヴァンセンヌ城の向かいには、35ヘクタールの広さを誇るパリ花公園があり、四季折々の花々を楽しむことができます。

森の中にはマルヌ川と繋がる4つの湖があり、水辺の景観も楽しめます。1907年に開催された植民地博覧会で展示された竹林、キオスク、仏教寺院などは、パリ熱帯農園に今も残されています。

また、1931年のパリ国際植民地博覧会に合わせて建てられたポルト・ドレ宮は、ヴァンセンヌの森に隣接しています。この建物の中には、旧植民地美術館を前身とする国立移民史博物館や、パレ・ド・ラ・ポルト・ドレ熱帯水族館があります。

交通アクセス

パリ市内からメトロ1号線を利用し、シャトー・ド・ヴァンセンヌ駅で下車すると、ヴァンセンヌの森にアクセスできます。

ギャラリー

（画像ギャラリーは割愛します）

関連情報

ヴァンセンヌの森をさらに深く知るために、以下の情報も参照してみてください。

パリの公園と庭園の歴史
パリの公園と庭園の一覧
ヴァンセンヌ城
パリ花公園
ポルト・ドレ宮 (パレ・ドゥ・ラ・ポルト・ドレ, Palais de la Porte-Dorée) - 1931年パリ国際植民地博覧会に合わせて建設された大型展示施設。現在は国立移民史博物館や水族館が入っています。
ブローニュの森（パリ16区）
雲水群像 - 矢崎虎夫作の彫刻

外部リンク

ヴァンセンヌの森サイト（アーカイブ）（フランス語）

ヴァンセンヌの森は、歴史と自然が調和した魅力的な場所です。パリを訪れた際には、ぜひ足を運んでみてください。

もう一度検索