ヴァージン・メガストアーズ

ヴァージン･メガストアーズの歴史

ヴァージン･メガストアーズは、イギリスのヴァージン･グループによって設立された大規模なCDショップで、音楽ファンにとって特別な存在でした。最初は通信販売を中心に展開していたヴァージン･レコードが経営危機に直面した際、リチャード・ブランソンがリテール事業に乗り出し、ロンドンに初の店舗を開店しました。その後、この店舗は事業拡大の礎となり、人気のCDショップへと成長を遂げました。

2001年にはフランスのラガルデールがこのブランドを買収し、ヴァージン･メガストアーズはヨーロッパ全土や北米、日本、オーストラリアへと拡大しました。しかし、デジタル音楽の普及やインターネット通販の台頭により、業績は次第に悪化。特に2007年にはイギリス国内の店舗がMBOによって“zavvi”として独立し、その後の展開にも影響を及ぼしました。多くの国で店舗が閉鎖またはブランド変更され、現在では欧州と中東の一部地域に限定された展開となっています。

2013年には、フランスの投資ファンドであるバトラー･キャピタルが主要株主となりましたが、同年1月にはパリ商業裁判所で会社更生法の適用を申請し、さらなる低迷に拍車をかけました。

日本における展開

日本市場においては、株式会社ヴァージン･メガストアーズ･ジャパンが設立されました。この会社は、ヴァージン･グループと丸井の共同出資によって成り立っており、1990年には新宿区に日本初の外資系大型CD店として1号店がオープンしました。特に新宿店は、当時の音楽シーンにおける重要な拠点として、多くの音楽ファンに親しまれました。

新宿の店舗は、1990年にマルイシティ地下1階に開店し、設立当初から丸井の関連会社としての性格を色濃く持っていました。店舗数も次第に増え、丸井の店舗内に多くのヴァージン･メガストアーズが配置されました。小規模な店舗名には「ヴァージン･ディスクステーション」や「VOX DISC STATION」などが採用されていましたが、2003年には株式会社丸井の完全子会社となり、その後これらの名称は使用されなくなりました。

また、アマゾンとの提携により通信販売も行っていましたが、このサービスはカルチュア･コンビニエンス･クラブの傘下に入る前に終了しています。その後、2009年には全店舗が閉鎖され、一部店舗はTSUTAYAに転換されることにより、19年間の歴史に幕を下ろしました。株式会社ヴァージン･メガストアーズ･ジャパンも最終的には、親会社であるTSUTAYA STORESホールディングスに吸収合併され、解散しました。

沿革

1990年代

- 1990年6月29日：ヴァージン･グループと丸井の共同出資により、株式会社ヴァージン･メガストアーズ･ジャパンを設立。
- 1990年9月22日：新宿に初の店舗を開業し、旗艦店となる。

2000年代

- 2001年4月21日：新宿店が新しい場所へ移転し、リニューアルオープン。
- 2002年9月：アマゾンジャパンと提携し、通信販売を開始。
- 2003年4月：株式会社丸井が完全子会社化。
- 2004年1月12日：新宿店を閉鎖。
- 2005年3月31日：丸井が全株式をカルチュア･コンビニエンス･クラブに売却。
- 2009年1月1日：ヴァージン･メガストアーズはTSUTAYAに吸収合併され、解散。

日本の店舗は多くが新たな形態に転換され、ヴァージン･メガストアーズのブランドは、音楽小売業界において歴史的に重要な役割を果たしたとともに、変化する市場環境の中でその姿を消しました。

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