ヴァージンVS

Virgin VS：ニューウェーブの遺伝子を受け継ぐ異色の音楽集団

1980年代初頭、日本の音楽シーンに突如として現れたニューウェーブバンド、Virgin VS（ヴァージン・ヴイズ）。その独特の世界観と個性的なメンバーによって、今もなお熱狂的なファンを魅了し続けています。

あがた森魚率いる個性派集団

バンドの中心人物は、言わずと知れた「A児」ことあがた森魚。彼の唯一無二の歌声と表現力は、Virgin VSの音楽性を決定づける重要な要素となっています。

ヴォーカルを務めるあがた森魚を支えるのは、個性的で実力派のミュージシャンたちです。コーラスには、遠藤賢司の妻としても知られる関端ひかる、そしてリッツが参加。関端ひかるは、自身の音楽活動に加え、映像分野でも活躍するマルチな才能の持ち主です。

楽器隊もまた、華やかな経歴を持つメンバーで構成されています。

木村しんぺい (ドラムス)：長年にわたりVirgin VSのドラムスを担当し、バンドの再結成にも貢献。
久保田さちお (ギター)：専門学校東京ミュージック＆メディアアーツ尚美の音響・映像学科学科長を務めるなど、音楽教育にも携わる実力者。
ライオン・メリィ (キーボード)：あがた森魚のサポートメンバーとして活動を始め、その独特の風貌からあがた森魚によって「ライオン・メリィ」と命名された。メトロファルス、ヒルビリー・バップス、ヤプーズなど数々のバンドに参加し、現在は元ちとせのサポートメンバーとしても活躍しています。本名である上田雅人名義での活動も行っています。
光永巌 (ベース)：女神転生外伝ラストバイブルなどの作曲活動でも知られ、ライオン・メリィとのメトロファルスでの繋がりからVirgin VSに参加。

過去には、土田まこと(ベース)、三科まさる(ドラムス)、テック(コーラス)らがメンバーとして参加していました。

代表曲「恋のメビウス」とアニメとの繋がり

Virgin VSの代表曲として広く知られているのが、アニメ『うる星やつら』（1981年版）の6代目エンディングテーマ「恋のメビウス」です。B面には、成清加奈子の「パジャマ・じゃまだ！」のカバーが収録されています。この楽曲は、Virgin VSの名を世に知らしめるきっかけとなり、現在でも多くのファンに愛されています。2022年版『うる星やつら』のキャラクターデザインを担当した浅野直之がジャケットを手掛けた『星空サイクリング』のリリースは、アニメとの新たな繋がりを示す出来事となりました。

再結成と新たな展開

1984年の解散後、Virgin VSは1999年と2009年に新宿LOFTのイベント「DRIVE TO 2000」「DRIVE TO 2010」で再結成。2023年には、初のライブ盤『モンテクリスト・ファン・クラブ』上巻・下巻の発売を記念して、オリジナルメンバー6人が集結したインストアイベントを開催。長年のファンを喜ばせました。

音楽史に刻まれた足跡

Virgin VSは、その短い活動期間にもかかわらず、日本の音楽シーンに独特の足跡を残しました。ニューウェーブというジャンルに捉われず、独自の音楽性で多くのリスナーを魅了し、再結成を経て現在もなお活動を続けています。彼らの音楽は、時代を超えて聴き継がれていくことでしょう。 今後の活動にも期待が高まります。

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