ヴィニー・ムーア

ヴィニー・ムーア：超絶技巧と多彩な音楽性

ヴィニー・ムーア（Vinnie Moore, 1964年4月14日 - ）は、アメリカ合衆国出身のロックミュージシャン、ギタリスト、ソングライターです。主にハードロック／ヘヴィメタル（HR/HM）の分野でソロアーティストとして活動する傍ら、アリス・クーパーやUFOといった著名なバンドにも参加し、その卓越したギタープレイで多くのファンを魅了してきました。

キャリアの幕開け

ムーアが音楽業界に足を踏み入れたきっかけは、1980年代に新進気鋭のプロデューサーとして知られていたマイク・ヴァーニーにデモテープを送ったことでした。これは、他のネオクラシカル系ギタリストたちと同様の経緯です。ソロ活動開始前には、パワーメタルバンド「ヴィシャス・ルーマーズ」の1stアルバムに参加しましたが、これはギターソロを重ねるセッションミュージシャンとしての参加にとどまりました。しかし、その後、偶然にもペプシコーラの米国向けテレビCMで超絶ギターソロを披露する機会を得て、全米の茶の間で話題となり、本格的なデビュー前からその名を知られる存在となりました。

1991年には、アリス・クーパーのアルバム『ヘイ・ストゥーピッド』で2曲のレコーディングに参加し、その後のアメリカツアーにも同行。1996年には、日本の人気アイドルグループSMAPのアルバム『SMAP 009』収録曲「夏が来る」でギターソロを演奏するなど、多岐にわたる活動を展開しました。2003年からは、ハードロックバンドUFOに加入し、現在もその一員として活躍しています。

演奏スタイルと特徴

ムーアのプレイスタイルは、速弾きを中心とした高度なテクニックにあります。しかし、他のギタリストとの差別化を図る要素として、オーソドックスなコードフォームを用いたスウィープアルペジオが挙げられます。デビュー当初はネオクラシカルスタイルでしたが、その後の活動で、モードスケールを視覚的に捉え、フィーリングで展開していくという独特なスタイルを確立しました。これにより、彼の演奏は、単なるテクニックに留まらない、感情豊かで音楽的な表現力を備えています。

使用機材へのこだわり

ムーアが使用するギターは、デビュー当初は、ナット側にロック機構がないフロイドローズの初期型をブリッジ側に搭載し、フレットボードを軽くえぐった（スキャロップド加工）アイバニーズのシグネチャーモデルでした。その後、フェンダー製やミュージックマン製のギターを愛用していましたが、2000年代以降は、ディーン製のシグネチャーモデルを使用しています。アンプに関しては、1980年代にはLaneyを使用し、近年はENGLを愛用しています。また、レコーディングやライブにおいても、エフェクターをほとんど使用しないことで知られています（近年Wahペダルは多用）。

ディスコグラフィー

ソロ作品

スタジオアルバム
Mind's Eye（1986年）
Time Odyssey（1988年）
Meltdown（1991年）
Out Of Nowhere（1996年）
The Maze（1999年）
Defying Gravity（2001年）
To The Core（2009年）
Aerial Visions（2015年）
Soul Shifter（2019年）
Double Exposure（2022年）
ライブアルバム
Live!（2000年）
コンピレーション
Vinnie Moore Collection: The Shrapnel Years（2006年）

参加作品

ヴィシャス・ルーマーズ
Soldiers Of The Night（1985年）
アリス・クーパー
Hey Stoopid（1991年） - 2曲に参加
UFO
You Are Here（2004年）
The Monkey Puzzle（2006年）
The Visitor（2009年）
Seven Deadly（2012年）
A Conspiracy of Stars（2015年）
The Salentino Cuts（2017年）
RED ZONE RIDER
Red Zone Rider（2014年）

脚注

外部リンク

* 公式ウェブサイト

ヴィニー・ムーアは、その卓越したギターテクニックと音楽性で、多くのファンを魅了し続けています。彼の今後の活躍にも期待が高まります。

もう一度検索