ミュージックマン

ミュージックマン：ギター史に名を刻むブランド

カリフォルニア州サンルイスオビスポ市に拠点を置くアーニーボール社が製造・販売を手掛けるミュージックマンは、エレキギター、ベースにおいて高い評価を獲得している楽器ブランドです。その歴史は、フェンダー社の創設者であるレオ・フェンダーがフェンダー社を離れた後に始まる、いわばギター界の伝説的物語と言えるでしょう。

誕生秘話と初期の成功

1972年、健康上の問題と新たな技術開発への強い願望から、レオ・フェンダーはフェンダー社のブランド、企業を離れ、ミュージックマンを設立しました。当初はギターやベースではなく、アンプの製造からスタートしています。HD-130や412GSといったアンプは、エリック・クラプトンをはじめとする著名ミュージシャンに愛用され、瞬く間に人気を博しました。

最初のギター／ベース製品であるスティングレイは1976年に登場。このモデルはミュージックマンのトレードマークとなる独特のヘッドストックデザイン（4対2のペグ配置）ではなく、初期はフェンダー・スタイルの6個のペグをストレートに配置したデザインでした。その後、スティングレイベースは大きな成功を収めますが、スティングレイギターは一時ラインナップから外れるものの、近年再評価されつつあります。

発展と多様なラインナップ

1984年、ミュージックマンはアーニーボール社に経営が移行。その後、1986年にはアルバート・リーが開発に携わったシルエットを発表し、キース・リチャーズの使用によって高い人気を獲得しました。

1987年には、スティーヴ・モーズのシグネチャーモデルを発表。以降、エドワード・ヴァン・ヘイレン、スティーヴ・ルカサー、ジョン・ペトルーシなど、そうそうたるミュージシャンのシグネチャーモデルを次々とリリースし、それぞれのモデルは高い実用性とクオリティから、プロ、アマチュア問わず多くのプレイヤーに愛用されています。

ミュージックマンのギターには、CUTLASS、MARIPOSA、SABRE、そして多くのシグネチャーモデルが存在します。EVHモデルはバスウッドバック／メイプルトップのオリジナルシェイプボディに2基のハムバッカーを搭載し、多くのギタリストに愛されています。AXISはEVHモデルの後継機として、様々な派生モデルが展開されています。また、ジョン・ペトルーシのMAJESTYは6弦、7弦、8弦モデルがあり、8弦モデルはマルチスケール仕様となっています。スティーヴ・ルカサーのLUKEシリーズも高い人気を誇り、様々なバリエーションがあります。

一方、ベースでは、スティングレイが代表的なモデルとして君臨し、Sterling、S.U.B.、BONGO、Big Alなど、多彩なラインナップが展開されています。

さらに、ミュージックマンは、日本のフジゲンなどでも製造委託しており、世界規模で生産体制を確立しています。2009年にはブランド設立25周年を記念したモデルが発表され、その歴史と伝統を改めて示しました。

多くのミュージシャンに愛される理由

ミュージックマンの楽器が多くのミュージシャンから支持される理由は、その高い演奏性、クオリティ、そして革新的なデザインにあります。レオ・フェンダーの技術とスピリットを受け継ぎ、常に進化を続けるミュージックマンは、これからもギター界をリードし続けることでしょう。

主要エンドーサー

ミュージックマンのエンドーサーには、アルバート・リー、ジョン・ペトルーシ、スティーヴ・モーズ、スティーヴ・ルカサーなど、多くの著名なミュージシャンが名を連ねています。彼らの演奏を支える楽器としての信頼の高さが、ミュージックマンの人気の秘訣と言えるでしょう。

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