ヴェリア (ギリシャ)

ヴェリア（ギリシア語: Βέροια, Βέρροια / Veria）は、ギリシャ共和国の中央マケドニア地方に位置する都市で、イマティア県の県都です。首都アテネからは北東へ約511kmの距離にあります。古代の再建音に基づき、ベロイアと表記されることもあります。

ヴェリアはギリシャ国内でも特に古い歴史を持つ都市の一つであり、紀元前432年にはトゥキディデスの記録にその名が登場します。また、紀元前1000年頃には人類が居住していたことを示す証拠も発見されています。古代において、ヴェリアはマケドニア王ピリッポス2世（アレクサンドロス大王の父）にとって重要な領土でした。彼はこの都市を戦略的な拠点として活用し、勢力拡大に利用しました。

ヴェリアは、使徒パウロがこの地で説教を行ったことでも知られています。彼はキリスト教を広めるために各地を旅しましたが、ヴェリアでは多くの住民が彼の教えに感銘を受け、キリスト教徒となりました。ローマ帝国時代において、ヴェリアは住民が初めてキリスト教を受け入れた地域の一つとして重要な意味を持っています。

東ローマ帝国時代、そしてオスマン帝国時代においても、ヴェリアはギリシャ文化の中心地としての役割を果たし続けました。様々な文化や宗教が交錯する中で、ヴェリアは独自の文化的なアイデンティティを育み、ギリシャの歴史において重要な位置を占めています。

現代のヴェリアは、中央マケドニア地域における中心都市としての地位を確立しています。経済、文化、教育など様々な面で地域を牽引し、多くの人々が生活し、活動する拠点となっています。

また、ヴェリア市街地から南東へ約12kmの場所には、ピリッポス2世の墳墓を含むユネスコの世界遺産であるヴェルギナの遺跡があります。この遺跡は、古代マケドニア王国の繁栄を今に伝える貴重な遺産であり、多くの観光客が訪れる人気のスポットとなっています。

2011年の行政改革により、アポストロス・パヴロス、ドヴラス、マケドニダ、ヴェルギナ、ヴェリアの5つの旧市が合併し、現在のヴェリア市が誕生しました。この合併により、ヴェリア市はより広範囲な地域をカバーし、多様な文化や歴史を持つ地域を包含する都市となりました。

関連項目
ディミトリオス・ヴィケラス

外部リンク
公式ウェブサイト（ギリシャ語）

もう一度検索