中央マケドニア

中央マケドニアは、ギリシャ共和国を構成する13のペリフェリア（地方）の一つであり、ギリシャ領マケドニア地方の中核をなす地域です。その中心都市であるテッサロニキは、ギリシャ第二の規模を誇り、ペリフェリア全体としてもアッティカ地方に次ぐ人口を抱えています。面積は18,811平方キロメートル、人口は2021年の国勢調査で1,795,669人と報告されています。

地理

中央マケドニア地方は、ギリシャのマケドニア地方の中央部に位置しており、北には北マケドニア、ブルガリアと国境を接しています。この地理的な位置は、歴史的にも重要な役割を果たし、文化や経済の交流が盛んな地域です。

歴史

1987年の地方行政改革によって、従来の地理的な区分に代わり、行政区画としてのペリフェリアが設置され、中央マケドニア地方もその一つとして誕生しました。さらに、2010年のカリクラティス改革によって、ペリフェリアは自治権を強化され、公選制の知事と議会を持つ広域自治体へと移行しました。これにより、地域住民の意思が反映される自治運営が可能となりました。

行政区画

中央マケドニア地方は、以下の7つの行政区（ペリフェリアキ・エノティタ）によって構成されています。
テッサロニキ
ハルキディキ
イマティア
キルキス
ペラ
ピエリア
セレス

さらに、これらの行政区の下には38の基礎自治体である市（ディモス）が存在します。

交通

テッサロニキを中心に、道路、鉄道、空路、海路と多様な交通網が発達しています。

道路

中央マケドニア地方には、欧州自動車道路やギリシャの主要な高速道路・自動車道路が網羅的に整備されています。以下に主な道路を挙げます。

欧州自動車道路
E75号線：スコピエからテッサロニキ、カテリーニを経てギリシャ南部へと続く主要な南北ルート。
E79号線：ソフィアからセレスを経由してテッサロニキに至るルート。
E86号線：クリスタロピギからエデッサを経由しテッサロニキに接続するルート。
E90号線：イグメニツァからテッサロニキを経由し、アレクサンドルーポリへと続く東西ルート。

主要な高速道路・自動車道路
A1号線：エヴゾニからテッサロニキ、カテリーニを経てアテネへ続くギリシャの主要な南北高速道路。
A2号線：イグメニツァからテッサロニキ、アレクサンドルーポリに至る東西方向の高速道路。
GR-1号線：エヴゾニからテッサロニキ、カテリーニを経てアテネへ続く国道。
GR-2号線：イグメニツァからエデッサ、テッサロニキ、アレクサンドルーポリへと続く国道。
GR-4号線：コザニからエデッサに至る国道。
GR-12号線：テッサロニキからセレスを経てカヴァラへと続く国道。
GR-63号線：セレスからブルガリア国境へと続く国道。

鉄道

ギリシャ国鉄の幹線鉄道網と地域鉄道網が整備されており、主要都市間を結んでいます。

幹線鉄道網
アテネからラリサを経由してテッサロニキへ至る路線。
テッサロニキからイドメニ（マケドニア国境）へ至る路線。

地域鉄道網
テッサロニキからエデッサを経てフロリナへ至る路線。
テッサロニキからアレクサンドルーポリ、オルメニオへ至る路線。

また、トレンOSEが運営するプロアスティアコス（近郊鉄道）も、テッサロニキからエデッサやラリサを結んでいます。

空港

テッサロニキ・マケドニア国際空港は、ギリシャ北部における主要な空の玄関口です。

港湾

テッサロニキ港は、ギリシャ北部最大の港湾として、国際貿易の重要な拠点です。
* ダフニ港は、地域における物流拠点として機能しています。

中央マケドニア地方は、その地理的特性と歴史的背景から、ギリシャにおいて重要な役割を担っています。交通網の発達と多様な産業が、地域経済の発展を支えており、今後もその重要性は増していくと考えられます。

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