ヴェリコ・タルノヴォ

ヴェリコ・タルノヴォ

ヴェリコ・タルノヴォ（ブルガリア語: Велѝко Тъ̀рново）はブルガリア北東部に位置する町であり、同名の基礎自治体の中心でもあります。ヴェリコ・タルノヴォ州の州都で、歴史的な価値を持つこの町は、ヤントラ川沿いに広がり、かつての第二次ブルガリア帝国の首都として多くの観光名所で知られています。

名称の由来

町はかつて「タルノヴォ」という名前で知られていましたが、1965年に「ヴェリコ」という形容詞を付け加え、現在の「ヴェリコ・タルノヴォ」へと名称を変更しました。この場合、イタリア語やトルコ語、そして日本語など、多くの言語で異なる表記が存在します。日本語では「ヴェリコタルノヴォ」や「ベリコタルノボ」などの様々な表記が用いられます。特に、日本の大相撲界では、元大関の琴欧洲がこの町の出身であることから、特に知られています。

歴史的背景

古代の姿

ヴェリコ・タルノヴォは、古代より人々が住み続けてきた地域で、その歴史は5千年以上にわたります。紀元前3000年紀にはすでに人類の痕跡が見つかっています。

中世

12世紀から14世紀にかけて、ヴェリコ・タルノヴォはブルガリア最強の要塞としての地位を確立し、国の首都として政治、経済、文化、宗教の中心となりました。特に14世紀になると、東ローマ帝国の衰退とともに、タルノヴォは「第三のローマ」と呼ばれるほどの重要性を持つようになりました。

オスマン帝国時代

しかし、1393年にはオスマン帝国による激しい攻撃を受け、町は陥落しました。その後、約480年間にわたるオスマン支配が続き、この間にも町は数回の蜂起を起こしましたが、解放には結びつきませんでした。19世紀には民族復興の動きが盛んとなり、1876年に起こった蜂起は、のちのロシア・トルコ戦争に繋がります。

ブルガリア解放

1877年、ロシア軍によって町は解放され、オスマン帝国の支配から脱した後、1878年にはブルガリア公国の首都として認められました。そして1879年、ヴェリコ・タルノヴォではブルガリア初の国会が開催され、ブルガリア国の初代憲法が採択されました。この憲法は、現在のソフィアに首都が移ることを定めました。その後、1908年には完全独立が成し遂げられ、ヴェリコ・タルノヴォの「40人の致命者聖堂」で宣言されました。1965年には歴史的な意義を認識し、町名が公式に変更されました。

主要な観光名所

ヴェリコ・タルノヴォには数多くの歴史的建造物や観光名所があります。代表的なものに、かつての皇族や総主教の住まいであるツァレヴェツ城址や、町の内側に位置する第2の要塞であるトラペジツァが挙げられます。さらに、数々の教会や民族復興様式の建築物、考古学博物館などが訪れる人々を魅了します。

まとめ

歴史、文化、自然が融合するヴェリコ・タルノヴォは、訪れる価値が高い魅力的な町です。観光や歴史について興味を深めるには最適な場所であり、多くの観光客を惹きつける理由がここにあります。

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