ヴェルビエ祝祭管弦楽団

ヴェルビエ祝祭管弦楽団について

ヴェルビエ祝祭管弦楽団（Verbier Festival Orchestra）は、スイスのヴェルビエを本拠地とするユースオーケストラです。ヴェルビエ音楽祭の創始者であるマルタン・エングストロームの構想に基づき、2000年に設立されました。このオーケストラは、音楽祭のレジデント・オーケストラとして活動しており、若手音楽家の育成と国際的な音楽交流を促進する重要な役割を担っています。

オーケストラの構成と活動

メンバーは、ニューヨーク、ウィーン、ジュネーヴなど世界各地で実施される厳しいオーディションによって選ばれます。30歳未満の才能ある音楽家たちが集まり、毎年、メトロポリタン歌劇場の首席奏者を中心とした教師陣による指導を受けます。その後、ヴェルビエ音楽祭や世界ツアーで、著名な指揮者のもとでその成果を披露しています。

在籍したメンバーの中には、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、ウィーン国立歌劇場、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、ボストン交響楽団、ロンドン交響楽団など、世界的に著名なオーケストラに入団する者も少なくありません。このことは、ヴェルビエ祝祭管弦楽団が世界トップレベルの音楽家を輩出する場であることを示しています。

指揮者陣と音楽監督

設立当初より、ジェームズ・レヴァインが桂冠指揮者を務めていました。2009年からは、シャルル・デュトワが音楽監督に就任し、オーケストラの音楽性をさらに高めています。また、クリストフ・フォン・ドホナーニ、グスターボ・ドゥダメル、ヴァレリー・ゲルギエフ、エサ＝ペッカ・サロネンなど、著名な指揮者が客演しており、多様な音楽表現を追求しています。

ヴェルビエ祝祭室内管弦楽団

ヴェルビエ祝祭管弦楽団のメンバーの中からさらに選抜された奏者と卒業生によって、ヴェルビエ祝祭室内管弦楽団が形成されます。この室内管弦楽団は、より少人数の編成で、緻密なアンサンブルを追求した演奏を披露しています。

名称の変更と活動の変遷

当初、メインスポンサーであったUBSの名を冠し、「UBSヴェルビエ・フェスティバル・オーケストラ」として活動していました。しかし、金融危機の影響でUBSがスポンサーを降りたため、2009年に現在の「ヴェルビエ祝祭管弦楽団」に名称を変更しました。

日本との関わり

2004年には初来日公演を行い、日本の聴衆を魅了しました。また、2004年から2009年までは、毎年、弦楽奏者の中から選ばれた数名が宮崎国際音楽祭に派遣され、国際的な音楽交流に貢献しました。

まとめ

ヴェルビエ祝祭管弦楽団は、若手音楽家の育成と世界的な音楽交流を促進する重要な役割を担っています。厳しい選考を通過した才能ある音楽家たちが、著名な指揮者のもとで研鑽を積み、世界各地で素晴らしい演奏を披露しています。その活動は、クラシック音楽界の未来を担う人材育成に大きく貢献しています。



公式サイト（英語・フランス語・ドイツ語）

もう一度検索