UBS

UBS Group AG

UBS Group AGは、スイスに設立された多国籍の投資銀行および金融サービス企業である。本社はチューリッヒとバーゼルの2都市にあり、スイス最大の銀行であり、世界でも最大規模のプライベートバンクとして知られている。全ての主要金融センターに拠点を持ち、国際的な顧客へのサービスを提供している。UBSの顧客サービスは、高い銀行顧客の守秘義務が特長で、特にプライベートバンキング分野で多くの富裕層が利用している。

UBSは、アメリカ大陸、EMEA（欧州・中東・アフリカ）、アジア太平洋地域に強力な存在感を持ち、金融安定理事会からはシステム上重要な銀行として位置付けられている。また、同社はクライアントの厳格なプライバシーを守る文化が根付いているため、各国当局による租税回避の調査の対象になることも多い。特に、スイスとアメリカにおいては、金融秘密保護指標で高い評価を受けている。

UBSという名称は、かつてのスイス・ユニオン銀行に由来し、1998年にユニオン銀行とスイス銀行コーポレーション（SBC）が合併して現在の形となった。現在、UBSはプライベート・バンキング部門に加えて、個人、法人、機関投資家向けにウェルスマネジメント、資産運用、投資銀行業務を提供している。UBSの管理資産は3.2兆スイスフランを超え、世界のビリオネアの約半数を顧客に持つ。

事業内容

UBSの業務は主に四つの部門に分かれている。これには、グローバル・ウェルス・マネジメント、パーソナル＆コーポレート・バンキング、インベストメント・バンク、アセット・マネジメントが含まれ、それぞれ異なる顧客ニーズに対応している。

1. グローバル・ウェルス・マネジメント
- この部門は裕福な個人やファミリーに対し、資産運用のアドバイスや事業承継に関するサポートを行っている。約45カ国にわたる拠点を持ち、10,294名の顧客アドバイザーが在籍している。保有する運用資産は約2.5兆米ドルで、その53%がアメリカを含む各国からのものである。

2. パーソナル＆コーポレート・バンキング
- 主にスイス国内の個人および法人に対し、幅広い金融商品の提供を行っている。2018年の純利益は2,058百万フラン、営業利益は1,873百万フランに達している。

3. インベストメント・バンク
- 投資銀行業務を展開しており、株式、債券、外国為替などの金融商品を扱っている。法人顧客や政府機関に対して、包括的なサービスを提供している。

4. アセット・マネジメント
- 機関投資家や富裕層向けに、株式や債券、不動産などの資産運用サービスを提供している。2018年末時点で、アセット・マネジメントの総資産は約7,810億米ドルに達し、スイス国内の最大の投資信託銀行である。

歴史

UBSの起源は、1862年に創業されたヴィンタートゥール銀行に遡る。その後、様々な銀行の合併を経て、1998年に現在のUBSが誕生した。特に1990年代から2000年代初頭にかけては、数多くの企業買収が行われ、事業の国際的展開が進められた。2008年の金融危機の際には、大きな損失を被ったが、その後の改革により徐々に経営の安定を取り戻した。

近年では、2023年にクレディ・スイスを買収することで話題となった。同買収は、金融市場におけるさらなる統合を象徴している。UBSは、これにより業務基盤の強化と顧客サービスの拡充を図ることを目指している。UBSはその強固な金融基盤と顧客信頼を背景に、引き続き国際的な金融機関として存在感を発揮していく可能性が高い。

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