ヴェロニカ・ドゥダロワ

ヴェロニカ・ボリソヴナ・ドゥダロワの生涯

ヴェロニカ・ボリソヴナ・ドゥダロワ（1916年12月5日生まれ）は、ロシア、バクーに生まれた指揮者であり、旧ソ連及びロシアにおいて女性指揮者としての地位を確立した先駆者です。彼女は、オーケストラの指揮者としての活動を通じて多くの人々に影響を与えました。

幼少期と教育

ドゥダロワはオセチア系の旧貴族の家庭に育ち、音楽への興味は幼少期から芽生えていました。5歳の時に地元のバクー音楽院付属音楽学校に入学し、ピアノを学ぶこととなります。しかし、彼女の幼少期は暗い影を落としました。1930年代初頭に父親が迫害を受け、さらに2人の姉妹も亡くなるという悲劇が起きました。このため、ドゥダロワは1933年に母親と共にレニングラードに移住します。

レニングラードでは、1933年から1937年までレニングラード音楽院でパーヴェル・セレブリャーコフからピアノを学びました。1937年にモスクワに移り住んだ後、ピアニストとして活動を開始しつつ、ボリス・ベルリンの指導の下でモスクワ音楽院への進学を目指しました。彼はドゥダロワに指揮科への進学を勧め、後にレオ・ギンズブルクに紹介します。

指揮者としてのキャリア

1939年、ドゥダロワはモスクワ音楽院の指揮科に入学し、レオ・ギンズブルクおよびニコライ・アノーソフの指導を受けます。彼女は大学在学中の1944年に指揮者としてのデビューを果たし、その後、中央青少年劇場で指揮者としてのキャリアをスタートさせました。1945年から1946年にはモスクワ音楽院附属オペラスタジオのアシスタント指揮者として活動しました。

1947年にはモスクワ州フィルハーモニー交響楽団の指揮者に就任し、1960年には首席指揮者に昇進しました。彼女は1989年までこの楽団を指揮し、1991年には自身のロシア交響楽団を立ち上げました。2003年まで同楽団の芸術監督としての職務を全うし、その後も音楽界に影響を与え続けました。

家族と私生活

ドゥダロワの家族についても触れておきます。母親はエレーナ・ダニロヴナ・トゥスカエヴァ、父親はボリス・コンブラトヴィチ・ドゥダロフというエンジニアでした。私生活では、彼女は3度結婚しています。最初の夫はチェスプレイヤーのボリス・ヴァインシュテイン、2番目は作曲家のユーリー・ヴラディミーロフ、そして3番目は生物学者のガブリエル・デボリンです。

知名度と影響

ヴェロニカ・ボリソヴナ・ドゥダロワは、女性が主導するオーケストラの指揮者として道を切り拓いた存在です。彼女の努力と情熱は、音楽界における女性の地位向上に寄与しました。彼女の業績は多くの音楽家たちに影響を与え、今なお多くの人々に尊敬されています。2009年1月15日にモスクワで亡くなるまで、彼女はたいへん多くの音楽活動を行い、歌い続けました。

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