ヴヌーコヴォ国際空港

ヴヌーコヴォ国際空港

ヴヌーコヴォ国際空港は、ロシアの首都モスクワの南西部に位置する国際空港です。ロシア語では「Международный аэропорт "Внуково"」と表記され、日本語ではヴヌコヴォ空港やブヌコボ空港とも呼ばれます。モスクワには複数の国際空港がありますが、ヴヌーコヴォは最も古い歴史を持つ空港の一つです。

歴史

ヴヌーコヴォ国際空港は1941年7月2日に開港しました。この時期は、ソビエト連邦がナチス・ドイツとの間で大祖国戦争を開始した時期と重なります。開港当初は軍事利用が主でしたが、その後民間航空の拠点として発展しました。

概要

ヴヌーコヴォ空港は、主にロシア国内線と近隣諸国を結ぶ国際線が発着しています。近年では、ドモジェドヴォ空港やシェレメーチエヴォ国際空港の混雑緩和のため、路線が拡大しています。2010年には新しいターミナルが完成し、ロシア国内で3番目に利用客数が多い空港となっています。空港内にはターミナルA、B、Dがありますが、現在はターミナルAのみが使用されています。

2018年10月からは、ロシア国内の空港に偉人の名前を冠する計画が始まり、国民投票を経て、2019年5月31日にはウラジーミル・プーチン大統領が、ヴヌーコヴォ空港に航空機技術者アンドレーイ・トゥーポレフの名前を冠する大統領令に署名しました。

就航航空会社と就航都市

2022年2月以降、国際情勢の変化により、就航航空会社と就航都市は大幅に変更されています。西側諸国との航空路線は、ほぼ全てが運航停止となっています。かつては、ワンワールド、スターアライアンス、スカイチームに加盟する航空会社も乗り入れていました。

空港アクセス

モスクワ市内へのアクセスは、アエロエクスプレスを利用すると、ヴヌーコヴォ空港駅からキエフスキー駅まで約35分で移動できます。アエロエクスプレスでは、スイスのシュタッドラー・レール社製の2階建て車両KISSが使用されています。2023年9月にはモスクワ地下鉄カリーニンスコ＝ソンツェフスカヤ線が空港まで延伸し、ヴヌーコヴォ空港駅が開業しました。これにより、モスクワの空港としては初めて地下鉄でのアクセスが可能になりました。

過去の事故

ヴヌーコヴォ国際空港では、過去にいくつかの航空事故が発生しています。

1976年1月3日、アエロフロート2003便が離陸直後に墜落し、乗員乗客61名が死亡しました。また、墜落地点付近の民家にも被害が発生し、地上で1名が死亡しました。
1979年3月17日、オデッサ行きのTu-104B型機が離陸直後に左エンジンが停止し、空港付近に墜落。乗員乗客119名中58名が死亡しました。この事故をきっかけに、アエロフロートのTu-104型機は全機運航停止となりました。
2012年12月29日、チェコのパルドゥビツェ発のレッドウィングス航空9268便（ツポレフ204型機）が着陸時に滑走路をオーバーランし、幹線道路に突っ込み大破。乗員8名のうち、5名が死亡しました。この事故では、幸い乗客はいませんでした。

関連項目

シェレメーチエヴォ国際空港
ドモジェドヴォ空港

外部リンク

公式ウェブサイト（ロシア語）
公式ウェブサイト（英語）
空港連絡鉄道公式サイト（ロシア語）
空港連絡鉄道公式サイト（英語）
地図 - Google マップ

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