ヴラジーミル・モノマフ (装甲巡洋艦)

ヴラジーミル・モノマフ

「ヴラジーミル・モノマフ」は、ロシア帝国が保有していた装甲巡洋艦で、1892年に起工されました。この艦名は、キエフ・ルーシの有名な大公であるヴラジーミル・モノマフから取られています。艦の最初の分類は半装甲フリゲートでしたが、1892年以降は1等巡洋艦として位置づけられ、主に外洋進出を果たすための重要な艦艇とされました。

この艦は、「ドミトリー・ドンスコイ」級の一隻として設計されました。「ドミトリー・ドンスコイ」が先に建造されたことから、時には「ヴラジーミル・モノマフ」級とも呼ばれています。元々はフリゲートや巡洋艦など様々な艦種が候補となっていましたが、性能や設計により、最終的には半装甲フリゲートとして分類されました。1892年以降の艦隊の新しい分類により、彼女は他の大洋巡洋艦とともに1等巡洋艦としての役割を担わせることになりました。

「ヴラジーミル・モノマフ」は、バルト艦隊や地中海艦隊を代表する艦艇で、広範囲な航海を行い、数多くの歴史的事件に関与しています。1895年の三国干渉、1897年のウラジオストク開設、そして1900年の義和団事件がその主な活動の一部です。しかしながら、ロシア帝国海軍が艦隊主力を装甲艦に移行する決定を下したため、1901年には本国に戻ることとなり、その後は主に練習艦隊として役割を担いました。士官候補生や水兵の育成に貢献したのです。

1903年から1904年にかけては、その改修工事が行われ、訓練の一環として機能しました。しかし、重要な戦争の進展によって、艦船の機能が再考されることとなり、最終的には前線へと送られました。1905年5月14日、日本海海戦において、「ヴラジーミル・モノマフ」は日本海軍の巡洋艦「和泉」に対して猛烈な砲撃を行いました。報告によれば、艦は自身に損害を受けることなく戦闘を終了したとされていますが、実際には双方に損害が発生したと考えられています。

夜間戦闘では水雷艇の攻撃を防ぐも、最終的には魚雷が命中し、老朽化した艦内の構造が耐え切れず、浸水が始まりました。この結果、艦長は艦を座礁させることを試みましたが、最終的に艦は捕獲され、沈没しました。乗員は近くの艦艇に救助されました。

1905年9月19日、「ヴラジーミル・モノマフ」は正式に海軍から除籍されました。この艦の歴史は、ロシア海軍の艦艇の発展と艦隊戦術の変化を反映しており、装甲艦の主流化とともに一つの時代を象徴する存在として評価されています。

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